いまからおよそ50年前の秋田市大町の様子です。
当時の大町は、秋田の経済の中心地。
メインストリートを歩行者天国にして大規模な夏祭りが開かれるなど、活気であふれていました。
いまでは夜の歓楽街となった、大町。
客足の減少に追い打ちをかけるように道路の拡幅工事が始まり、昔ながらの商店は次々に姿を消しました。
明治創業の家具店も、この場所で最後の営業日を迎えました。
昭和の時代には家具店がひしめき合い、「家具のまち」と呼ばれた、大町六丁目。
気付けば、最後の1軒となっていました。
今日の特集は、家具のまち、最後の一日に密着。
時代に翻弄されながらも歩み続ける、5代目社長の思いに迫ります。
秋田市大町六丁目の家具店、「カワシマリビング」です。
世界各国から取り寄せたオーダーメイドの家具をメインに、素材にこだわった高級家具を販売しています。
5代目社長の、川嶋正夫(かわしま・まさお)さん。
家具や素材の知識が豊富で常連客からの信頼が厚い、名物社長です。
明治14年創業のカワシマリビングは、いまからおよそ50年前に、「桐タンスの川島」として秋田市大町に店を構えました。
当時小学生だった川嶋社長。
この町とともに成長し、町の移り変わりを見守ってきました。
多くの家具店がひしめき合い、「家具のまち」と呼ばれていた、当時の大町6丁目。
時は高度経済成長期。
「家具のまち」大町6丁目には、11の家具店が軒を連ね、上質な家具を求める客で連日にぎわっていました。
しかし、バブルが崩壊し、郊外には複数の大型家具店が出店。
家具のまちは、当時の勢いを失いました。
家具のまち最後の1軒となった、カワシマリビング。
工事の影響で、大町から移転することが決まりました。
6月23日。
「カワシマリビング」、大町6丁目での最後の営業日を迎えました。
閉店まで2時間。
「カワシマリビング」大町店、最後のお客さんがやって来ました。
確かな品質ときめ細かな接客で、50年間、大町の人たちに愛されてきた、「カワシマリビング」。
閉店時間の午後6時。
「カワシマリビング」大町店、そして、「家具のまち大町6丁目」の歴史が幕を降ろしました。
川嶋社長が移転先に選んだのは、秋田市東通の空き店舗です。
100年の歴史とともに。5代目川嶋社長の新たな挑戦が始まります。