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2020年7月16日

本荘郷土資料館

かおりです!
暑さも、人込みも避けたい。そんな時、文化施設を訪ねてみるのはいかがですか? 
ラジパルは由利本荘市にある「本荘郷土資料館」をお訪ねしました!
迎えてくださったのは、本荘郷土資料館 資料調査員 板垣弘勝さんです。

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本荘郷土資料館は、日本酒や味噌・醤油の醸造蔵、本荘うどんの工場が並ぶ歴史ある石脇地域にあります。
裸参りで知られる新山神社の方へ坂を上った場所に、佇むように静かに開館していて、なんだか落ち着く場所です。

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昭和56年(1981年)オープン。ここに開いて40年近くになります。
平日は10名ほどの来館者ということで、ゆっくり歴史や文化に触れられます。

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資料館にはお庭もあって、季節の植物も迎えてくれます。

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こちらは?なんと ラジオです!!

館内では常設展と、企画展が行われています。

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「常設展では、本荘地域から出土した考古資料を中心に、縄文時代から江戸時代までの歴史をたどることができます。
日本最古の麻が検出された縄文時代早期の菖蒲崎貝塚や、本荘城後(本荘公園)から出土した江戸時代のものなども見られますよ」と板垣さん。

昔の道具・民俗資料もあり、60~70年前やその前の道具を展示しています。
今はもうないような道具が展示されていて、おじいさん、おばあさんは「なつかしい」子どもたちは「なんだろう?」という表情を見せているそうです。
秋田県の無形民俗文化財「猿倉人形芝居」を紹介するコーナーでは、人形や上演の舞台も建てられていています。

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また、本荘ごてんまり、本荘こけし、刺し子などの伝統工芸品の展示コーナーもあります。

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こちらは、企画展が行われている 展示室。年3回ほど展示替えの行われていて、現在は「明治・大正・昭和初期の地図・絵図展」が開催されてます。

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本荘市中町で、質屋業を営む大地主の長男として生まれた「須藤善一郎」と「須藤家」から寄贈された地図や絵図を中心に展示しています。
本荘藩お抱えの御用絵師 増田象江の絵画や当時の政治家が書いた書など貴重な資料などが見どころです。

また、鉄道の 路線を細かく示した地図も展示されています。
展示の説明には「無念の矢島鉄道株式会社」とあります。

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由利高原鉄道 鳥海山ろく線(元 国鉄 矢島線)が生まれる前、本荘と旧由利町 前郷の間、旧東由利町 老方と横手間を結ぶ横荘線(おうしょうせん)が走っていた頃に「矢島鉄道株式会社」という鉄道会社がありました。
以前、ABSラジオの午後の番組「ごくじょうラジオ」で、「矢島鉄道」についてラジオの特別コーナーでお伝えしました。
由利本荘市 岩城亀田の高久 勝治さんが、「矢島鉄道」に関する資料を本荘郷土資料館に寄贈されたことで「矢島鉄道」についての歴史が、資料館で調査されることになりました。
「矢島鉄道の歴史」は、羽後本荘と矢島を繋ぐ鉄道の半分を、大正から昭和にかけて自分たちの手で作ろうとし挫折した「地域住民たちの戦いの歴史」です。

高久さんの写真
                      資料を寄贈した 高久さん

高久さんの父 高久 利三郎さんは「矢島鉄道株式会社」代表取締役として人生をかけて尽力されてきた人物です。
子吉川氾濫の被害防止の堤防を兼ねることも目的として、地域の方が 自分たちの資金を持ち寄り、零細な株主となって 鉄道を敷くために動いたということ。
「解説にはこうあります」と板垣さん

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「ここに記されている解説は、資料が高久さんから寄贈された際に、調査をした資料調査員 小松正夫さんによるものです。地元の方たちで鉄道を作ろうという動きが大正13年頃からあって、住民たちが自分たちの土地を担保に銀行からお金を借入、鉄道を引く工事を行ったが、大正15年8月に子吉川の大洪水で せっかく工事を行った枕木や線路ともすべて流され、大損害を被りました。
さらに、水害復旧の資金やレール調達の目処が立たないうちに国が、追い打ちをかけるように昭和3年 矢島と院内間を結ぶ鉄道の工事を着手。民営の矢島鉄道にとっては致命的でした。国の圧力と資金難から 事業半ばで 無念の会社解散を余儀なくされました」

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こちらは、請願書。
「大きな負債を負った元 重役陣・一般融資者そして 矢島鉄道株式会社 代表取締役で財産清算人 高久 利三郎氏は、20年に渡って、行政への訴訟、陳情を行った」と解説には記されています。

「地域住民たちの戦いの歴史」を目の当たりにしたラジパル。
本荘郷土資料館で、先人たちの思いや歴史に触れたように思いました。

企画展「明治・大正・昭和初期の地図、絵図展」は 8月30日(日)までの開催です。こどもたちの夏の自由研究になるような資料もたくさんありますよ!
ぜひ、ご家族でお出かけくださいね!

本荘郷土資料館
開館時間 午前9時〜午後5時
入館料:一般100円・小中生無料 毎週月曜日は、休館日です。

問:0184-24-3570