秋田市上新城 丘の上にある 窯元「須恵沢窯(すえさわがま)」
1000年以上 前に焼かれていた器 「須恵器」を焼いた土を
窯元のある上新城地区から探し、その土で焼き物を 作っている窯元です。
そして、ちょうど、昨日の夜まで2日をかけて
器を焼き上げる窯焚きが 行われていました。
お忙しい中 迎えてくださったのは 須恵沢窯 代表の森田 勇さん。
須恵沢窯は、「登窯」で器を焼き上げています。
上へ昇りたがる炎の性質を利用するため傾斜に作られた登窯。
中では、食器など200点が焼き上げられました。
昨夜、火を締めた ということですが、まだ窯の温度は350度もあり
窯のそばでは寒さを感じないほど温かさが伝わってきました。
最高温度は 1300度くらいになったそう。
森田さんが講師を勤める焼き物サークルの生徒など
のべ21人が交代で薪をくべて 登窯に火をいれていたのだとか。
特別に中を見せていただきました。
天候、気温、湿度により焚き方も左右される登窯での火入れ作業。
今回の窯出しは、今日から5日後だそう。
自然の力で焼き上げられた器は 独特の焼き上がりの変化があります。
窯元にある 展示室を見せていただきました。
こちらが、須恵器の土。掘り出した土を洗い、漉すのだそう。
釉薬の様子も、炎の影響を映し 須恵沢窯には 表情豊かな器たちが並びます。
今日のラジオのテーマは「やりなおし」
森田さんに「作り上げた器、やり直したくなったことは?」と聞いてみました。
「焼き物は、やりなおしがきかないもの。出来上がったものは受け入れます」
とのこと。
それでも「どうしても、これは」という時には、自宅用として使うのだそう。
「これまで、出来上がったものを がちゃんと壊したくなったことは?」と
またまた聞いてみた かおり。
穏やかな表情に ほほえみをにじませて 「がちゃんとしたこともあります」
と森田さん。
土と、器と、炎に、向き合っているからこその 響きのある声を聞かせて
いただきました。
【須恵沢窯】 秋田市上新城中松木台87 電話:018-870-2654
窯元に展示室を設けています。見学などの際は、お電話ください。とのことです
また、今回 登窯で焼き上げた器の展示会があります
「七窯土 作陶展」(森田さんが講師を勤める 焼き物サークルの方々の作品)
11/17(金)~11/19(日) アトリオン2F B (初日は13時~17時)
チャリティバザーコーナーを会場の一室にて開催します。
(取材 ラジパルスかおり)