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2021年7月28日

200年をたがやす~秋田の伝統工芸品~

2021年7月21日(水) かおり取材

お堀の蓮を目に秋田市文化創造館を訪ねました。
7月1日からは、展覧会「200年をたがやす」が開催され、秋田の多彩な地域文化や人々の営みを巡った「幅広い表現」に出会えます。

展示は「生活」「食」「舞台」「工芸」「芸術」と5つの分野!
まるで、文化創造館 全体が「表現の広場」のよう!
今月2度目のお訪ねとなるラジパルは、夏休みの子どもたちにもぜひ、触れてもらいたい「工芸」の分野に迫りました!

お話を伺ったのは、工芸分野キュレーター 田宮慎 さん。

「工芸分野」.は、木の香りが届くような、伝統工芸品の展示です。
国の指定を受けた秋田の4つの伝統工芸品、秋田杉桶樽、大館曲げわっぱ、川連漆器、樺細工の素材や制作過程や使っている方のエピソードなどに出会えます。テーマは「森からくらしへ」
秋田県内の4つの伝統工芸品の原材料や製造工程の物語に一度に触れることも出来る貴重な展示です。

「秋田の伝統的工芸品にまつわるエピソード」にも足を止めてしまいます。

「父と母の結婚祝いに祖父(大工)が岡持を作り川連漆器の三段重を入れたものを贈りました(今から65年前)。認知症を発症した母が、重箱を洗うときにフタをお水に入れっぱなしにして曲がってしまいましたが、職人さんが直してくれました」などのエピソードが寄せられていました。
日々使われている中での思い出など「工芸品のエピソード」、9/20まで募集中です!
(秋田市文化創造館 ホームページ「エピソード募集フォーム」へ)

伝統工芸品が、秋田の暮らしに密着した生活の道具であることに改めて思いが届きます。

「秋田の伝統的工芸品は、全て自然の材料で出来ていて、すべて職人さんの手作業でひとつひとつ作られています。SDGsの流れなど意図せず、その流れに合致するものばかりです。いまだからこそ、未来に向けて地元の伝統的工芸品を見直すきっかけをつくりたいと思いました。」と田宮さん。

直しながら何世代にも渡って長く使い続けられる工芸品。
実際、川連漆器の職人さんのお話を紹介するコーナーでは「直せます」の言葉がありました。

さらに、秋田杉桶樽・大館曲げわっぱ・川連漆器・樺細工で使わなくなったもの、特に他の方に使ってほしいものを現在、募集しています!

「モノにとっても、押入れに仕舞われたまま使われない状態は、通気性や乾燥などの観点から決して良いとは言えません。自然素材から職人の技を通して生み出される伝統的工芸品は、使って育てる、使うことで完成する道具でもあります。」

家で眠っている工芸品を提供してもらい、次の使い手をオーディションで決めるイベントが開催予定です。
次の使い手希望の方は「なぜ」「どうして」その工芸品を手にしたいのか思いを伝え!ていくということ!!
お預かりした工芸品は、9月20日まで展示。その後にオーディションが行われます!
「伝統工芸品が使われている状態」に「つなげる場」になればと、田宮さんは考えています。

さらに!貴重な機会が!!
職人さんの実演を目の前に出来るワークショップが開催されます!
どの伝統工芸品も「木材」が使われ「職人技」によって仕上げられています。

秋田杉桶樽 編:8月7日(土) 
樺細工 編:9月23日(木・祝) 

秋田市文化創造館は入館無料!
休憩できるスペースなどもあり、涼しい中でゆったりと過ごせますよ。
「秋田で暮らす子ども達にもたくさん見てもらいたい」と田宮さん。
夏休の自由研究にもいいですね!
ぜひ、秋田市文化創造館で、秋田に受け継がれる「伝統工芸品」に出会ってくださいね☆

「200年をたがやす」
9月26日まで開催されています!
開館時間:午前9時から午後9時まで(火曜日休館)
ワークショップの申し込み、問い合わせは、お電話やホームページから!
電話:018-893-5656