2022年3月25日(金)かおり取材
秋田県内は、糀を使った発酵食が地域の食文化として根付いています。
横手市平鹿町で”里見のこうじや”と呼ばれる『新山食品加工場』のおかみ、新山容子さんは、糀を使った発酵料理教室の講師をされるなど、発酵食文化を食卓に伝えています。
実は、味噌屋さんは春が一番、忙しい時期だそうです!
「お米5升以上であれば、米、大豆の分量、塩加減までお客様好みのお味噌を作る委託加工も行っています。春は仕込みの季節です。」と新山さん。
こうして、日々、糀に向き合う新山さんだからこそ知る発酵料理!
「特別なものではなく、伝えるのは、糀を使った“普段の料理”です。炒め物、和え物の他、お味噌や甘酒を使ったレシピもあります。」
スタジオでも、新山さんにひとつ、塩こうじを使ったチャーハンを教えていただきました!
「ごはんと塩こうじを、はじめに混ぜておくと、材料を炒めてごはんを入れる時に、パラパラなチャーハンが作れます。塩こうじで、塩気だけでなく、コクやうまみも増します。卵にも塩こうじを入れるといいですよ」
こちらは、具に、豚ひき肉、椎茸、キャベツが入ったチャーハン
(分量は、ごはんお茶碗3杯に塩こうじが大さじ1、卵1個に塩こうじが小さじ1)
また、トマトと塩こうじは相性がバツグン!とのこと。ミネストローネが美味しく出来るそうです。
「ここらへん(の地域)では、現在のように塩こうじが一般的になる前、ずっと昔から使われていました」と新山さん。
一年で最も寒い時期に作っておいて熟成させ、きゅうりやナスなどが採れ始めると、塩こうじで漬物にしてきたそうです。特別な調味料ではなく、暮らしの中で使われてきたことが分かります。また、もうひとつ新山さんおすすめの調味料があります。『味噌たまり』です。
「横手地方では、昔から馴染みの調味料です。ある程度上の年齢の方ならば、ほとんどの方が知ってるはずです。味噌の中にざるを沈めて、その中にたまった液体が『味噌たまり』。お醤油代わりに使えますが、柔らかく優しい味わいです。春に出てくる山菜にも合います!この季節は、ふくたちにかけると最高です。」
お着物姿で、いつも朗らかな新山さんです。ぜひ、新山食品加工場を訪ねてみてくださいね!新山さんのブログ、『新山食品加工場~秋田の味噌屋日記』には、新山家の普段の食卓なども紹介されています🥢 覗いてみてください!