2021年12月24日(金) かおり取材

大仙市刈和野には、日本の醸造技術を支える、”菌博士”がいらっしゃいます。『秋田今野商店』の今野宏さんです。酒、味噌、醤油、みりん、鰹節など日本の発酵食品の要となるこうじ菌の”種”=種こうじ菌を扱っています。

 

「種こうじ菌は、直径5ミクロン、100個並べても針の穴ひとつの大きさです。1グラムで100億個。そんな小さな微生物の種をここでは扱っています。」と今野さん。

 
こうじ菌を培養し、生産する企業は全国にも3~4件ほどしかありません。例えば、東北の日本酒を10本並べたら、そのうち7本は、秋田今野商店の種こうじ菌が使われているのだそうです!!今野さんは、その醸造元に合わせて、種こうじ菌をオーダーメイドでブレンドし、提供。その技術力には、日本はもちろん、世界からも信頼が寄せられています。

「それぞれの菌の特徴を把握し、その菌が持つ力をどのように醸造に活かすかを考え、提供しています。」

 
「醸造は麹がいいものを作ります。その蔵の変わらぬ味、受け継がれた味をこの先へ繋げるお手伝いでもあるんです 昨日今日のお付き合いではなくて、100年以上のお付き合いをしている醸造元もあります。」と今野さん。

秋田今野商店は、創業から今年で111年を迎えました。今野さんは、4代目でいらっしゃいます。歴史にも裏打ちされた技術です。

 
今野商店の種こうじ菌は『コンノモヤシ』と呼ばれています。

もやしは、萌える・・・、芽が出る・・・、の意味があり、麹菌が芽吹く姿から、”もやす→もやし”になったといわれています。皆さんが今日食べた、お味噌や醤油、みりん、鰹節、焼酎などなど、麹を使って醸造されているものには、『コンノモヤシ』が使われているかもしれません!

今野さんが、取り扱う種類の数は、こうじ菌を含めて1万種以上!というから驚きです!!

「ここは、目に見えない微生物の力=特徴を把握し、提供するいわば、菌の銀行です^^。 菌という、目に見えないものがスーパーパワーを持っているんです。その”力”や”働き”を借りています。汗をかくものがいれば、高い温度を出すものがいる。その個性や能力を、さまざまな分野で発揮させるよう取り組んでいます。」

 

実は、発酵食品をはじめ、化粧品や薬、環境浄化などなど!!今野さんが扱う菌たちは、暮らしに役立つ存在として私たちの日常を支えています。目に見えない小さな存在に、大きな支える力を感じたラジパルスでした。

11月には、今野さんのお話が本になりました! 興味深い菌の世界に触れることができます📖