2020年12月17日(木) かおり取材
横手市では、十文字町、増田町、平鹿町の7軒のりんご農家が「調理用りんご」の栽培に力を入れ「クッキングアップルの郷」として取り組んでいます。
加熱することでコクと香りがより引き立つクッキングアップル。取り組みのスタートから5年の今年、新型コロナウイルスによる危機がやってきました。
そんな中!ピンチをターニングポイントにしようと、新たな加工品の開発を行うプロジェクトが立ち上がっています。
お話を伺ったのは、左から
「クッキングアップル」の販売や販路拡大を行ってきた「デリカテッセン&カフェテリア紅玉」高橋基さん。
「クッキングアップルの郷」のメンバー 横手市赤坂 藤井果樹園 藤井 克徳さん。
「クッキングアップル」の栽培を、最初に始めた農家さん増田町の平良木果樹園 平良木亨さん。
「クッキングアップル」は、そのまま生で食べると酸味のあるりんごです。
こちらは、その主力!皮も果肉も赤い「紅の夢」
「調理によって、酸味がふくよかな甘味とコクと香りに変化します。調理や製菓に向いていて、お菓子ではタルトタタン、アーモンドタルトなどを作ると惹きつけられる美味しさになります」と藤井さん。
アップルパイの材料にもなる「紅玉」もクッキングアップルのひとつです。
「クッキングアップルの郷」では、紅の夢や紅玉など6種類のクッキングアップルを手掛けています。
「ジェネバ」
「ブラムリー」
クッキングアップルをはじめに栽培した平良木さん。
栽培に取り組み始めたきっかけは「2011年の豪雪で、りんご畑のひとつが全滅してしまったこと」でした。
平良木さんは「海外では料理によってりんごを使い分けてその味を楽しむのが普通だが、日本は甘いりんごほど高値で取引されるので、甘いりんご栽培が多い。日本では、菓子にも料理にもあたり前に生食用の甘いりんごが使われてきたが、クッキングアップルには知られざる魅力がある」と豪雪で被害を受けたりんご畑で調理用リンゴの栽培をはじめました。
平良木さんのチャレンジをスタートに、取り組む農家さんは現在7軒!
高橋さんは「デリカテッセン&カフェテリア紅玉」のサイトで、紅の夢や紅玉、加工したお菓子「紅の夢」のケーキ、タルトタタン、コンポートの販売を行ってきました。
また、関東や関西のレストラン・パティスリーにも届け販路を拡大してきました。
これまで順調に進んできた「クッキングアップルの郷」の取り組みですが、今年は、新型コロナウイルスの影響で、仕入れるお店からの注文が激減。
「売れなければ廃棄するしかない。せっかく1年かけて育てたクッキングアップルを活かしたい」と
「地元 横手の中での新たな商品開発のプロジェクト」が立ち上がりました!
「これまでは、関東や関西へ出ていくことが多かった紅の夢。りんごは、ありふれたものだと地元では思われていましたが、形を変えていくとさまざまな魅力が生まれることが、受け取られてきました。そこで地元で加工品を作ったり、シードルやハードサイダーに加工していこうと考えています」
まず作られたのは「紅の夢」のセミドライ!
歯触りと、ぎゅっと詰まった酸味と甘みが たまりません!
「シードル類の開発には、秋田県横手市のりんご生産者と地元経営者、酒販業者が力を合わせて立ち上げたブランド『オカノウエシードル』、ハードサイダーは、『OK, ADAM』というブランドで立ち上げた、ホステル&発酵バルCAMOSIBAでの醸造が決まっています」
ラジパルでは、オカノウエシードルについて、佐藤果樹園 佐藤和也さんに
「ハードサイダー」については、CAMOSIBA 阿部円さんにお話を伺っています。
まざまな取り組みを動かす魅力ある横手のみなさんと共に「横手メンバー」にて「横手のりんご」を次のフィールドへ進める取り組みです☆
「地元でいいものを作ろう」という気概を感じました!
「クッキングアップルや産地の魅力を伝え、一生懸命 生産に取り組んで いいものを作っていきたい」と藤井さん。
「自分たちの世代だけでなくて、140年以上続くこの産地を次世代へつなげていくチャレンジだと思っています」平良木さん。
こういった新たな取り組みを進めるため「クッキングアップルの郷」では現在、インターネットで資金を集めるクラウドファンディングを行っています!
詳しくは「readyfor」というサイト「地元秋田の仲間とともに、クッキングアップルの郷をまもりたい!」のチャレンジページをチェックしてください!支援の応募は1月18日までです!
取り組みから生まれた商品を味わうのが楽しみになったラジパルでした🍏🍎