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2017年6月7日

由利本荘市 三ツ方森 集落 ~根花餅~

由利本荘市 本荘街道 (107号)から、山間部へ登っていくこと15分
標高250メートルの山間にある 三ツ方森 集落。
江戸時代から続く集落です。
標高が高く 三方を見渡せる場所であることからその名が付いたそう。

眺め 1

わらび畑

当時の本荘藩によって「矢島」「亀田」「本荘」三藩の境界の監視を
任された 2軒が集落の始まりです。
「苗字帯刀」を許された 猪俣家は今も 5軒の家がここで暮らしています。

 
ラジパルを迎えてくれたのは 町内会長 猪俣さんご夫妻。

猪股さんと3ショット

見晴らしのよい場所に構えられた集会所に おじゃましました。

集会所

鳥海山、矢島の山々 南由利原の風車、ぐるりと 眺めることができ、
山の上にたたずむ天空の里 と称されるのがわかりました。

ラジパルの目の前は、緩やかかな斜面に 伸びている 一面の山の幸 ワラビ!

わらび畑1

毎年4月に下旬に「三ツ方森の山焼き」を行い、
10haの広さに火を入れて山を焼くそう。300年続く集落の伝統行事です。
  
山焼きをすることで ワラビやユリの根 新芽の柔らかい牧草が育つのだとか。
「ここのワラビを食べると他のものが食べられない」という人もいるそう。 
三ツ方森のワラビは、その品質の良さから千葉のスーパーへ出荷されています。
今日もちょうど 出荷の作業をしたところでした。

また、入山料1000円で 山菜を 採ることができます。

入山料

今日は仙台から10名ほどが来たそう。中継中も斜面でワラビを採っていました

ワラビとり

三ツ方森集落には、このワラビを使った伝統食があります。
「根 花 餅」です。
ワラビの根から抽出される でんぷんを使ったお餅(ワラビ餅)で

「昔食べた根花餅を食べたいなあ。」という地域のおばあちゃんの声を受け
猪股さんたちが、再び、作ることに取り組みました。

根花餅

しかし、ワラビの根から でんぷんを採るのは、なかなか難儀したということ。
昔 作ったことがあるというおじいちゃんを知り、大仙市南外まで訪ねたり
実際に 根っこを叩き、攪拌し、漉す。などの 作る作業を重ねて
ようやく、ワラビからでんぷんを 取り出すことが 
出来る様になったのだとか。
(ゴミだと思って根っこの殻をどかしたとろころ!沈んでいた
 でんぷんに お目にかかった!などということもあったのだそう)

インタ

こうして、昔の おばあちゃんの根花餅に 今の工夫を加えて
「三ツ方森の 根花餅」が完成しました!

その 根花餅は、やわらかく、
ふるふるるるっとして、口に入れると消えていくよう!

今は、地域で行われる交流会などの際に 作って出されています。
また、抽出したでんぷんは、純度が高く、品質がよいことから
京都の和菓子屋さんで 使われているのだそう。

4年を経て 昨年から、ようやく、でんぷんを取り出す「コツ」が
つかめてきたという猪股さんご夫妻。

打ち合わせ

秋に掘った ワラビの根から、二人だけで手作業で取り組んでいる
でんぷん採りは、容易ではありません。

「あと、ふたりくらい いれば いいのだけど」と 笑った 奥様。

それでも、作りながら得たコツを生かし、
地域のワラビから抽出する「わらびのデンプン」を大切に
作業を続けていきたいと考えているそうです。

歴史と、伝統と山々の景色。その環境あっての 三ツ方森の味。
ほおばって、胸をうたれた ラジパルでした。

(根花餅は、由利本荘市 市役所近くの「西小路」というお食事処で
出会うことがでいるそうです)