2022年2月9日(水) かおり取材
秋田市旭北寺町「法華寺」副住職 齋藤宣裕(せんゆう)さんに、スタジオからお話を伺いました🎙
齋藤さんは、地域に開かれたお寺を目指そうとさまざまな取り組みを行っています。
今月は「死の体験旅行」と「デスカフェ」というワークショップが開かれます。
「死の体験旅行とは、元々はアメリカのホスピス職員の方々の研修として開発されたワークショップです。これから命を終えようとしている方のお気持ちを少しでも理解できるように、という目的で『自分の死を疑似体験する』研修が行われていたそうです。それが日本に伝わってきて、日本のお坊さんたちの間でも『生と死、命について考えるワークショップ』として開催されるようになりました。」と齋藤さん。
現在、国内では、研修を受け、開催の許可を得たお坊さんたちによってワークショップが開かれています(20名ほどいらっしゃるそうです)。
秋田市 法華寺は、ワークショップを開催している東北地方 唯一のお寺です。
「死の体験旅行」は、お寺の広い座敷を会場に、副住職 齋藤さんの進行で行われます。
参加者は、読み上げるシナリオの主人公です。自分が病気になり、やがて死を迎えるというストーリーを「体験旅行」していきます。
「徐々に死が迫ってくる中、そして最後の瞬間にあなたはどんなことを思いますか?あなたが本当に大切なものは何ですか?というワークショップになっております。」と齋藤さん。
また、「死の体験旅行」のワークショップの後には、同じ場所で「デスカフェ」が開催されます。
「スイスの社会学者、バーナード・クレッタズさんが1999年、妻の死をきっかけに、死について気軽に語り合う場を作りました。その後、活動に触発されたイギリスのジョン・アンダーウッドさんによって2011年に考案・設立されたのが『デスカフェ』です。」と齋藤さん。
死についてカジュアルに語り合う、秋田で言うところの「お茶っこを飲みながら命について自由にお話しましょう」という取り組みです。
(副住職 齋藤 宣裕さん)
現在はコロナ禍ということで飲食しながら話すことは行いませんが、齊藤さんは、カフェのようなゆったりとした雰囲気で語り合うことを心がけているそうです。
これまで法華寺では、「死の体験旅行」と「デスカフェ」を2018年から6回、開催してきました。
参加者からは、
「自分の本当に大切なものが何なのか考えるきっかけになった。」
「死の瞬間を体験することで、今この瞬間をもっと大事にしなければいけないと思うようになった。」といった声が届いています。
また「デスカフェ」では、「普段なかなか話せないことをじっくり話し合うことでスッキリした。」
「お寺という場所で安心して語り合うことができた」という感想が寄せられているそうです。
「お寺ではこれまで一生懸命お葬式やご法事などの仏事をおこなってきましたが、亡くなった後ではなく生きているうちにもっとみなさんと関わり、寄り添っていきたいと考えました。」と齋藤さん。
忙しい日常の中で少し足を止めて、死ということを考えることで命について見つめ直す。
お寺でそんな時間を過ごすのはいかがですか?
「死の体験旅行」2月27日(日) 午後1時から 「デスカフェ」 同日 午後3時15分から
申し込みなど、詳細は、秋田市 法華寺 で検索していただきホームページをご覧くださいね!