ラジオ編集
全県高校総体が6/10でひと通り終了しました。
ABSラジオの「なんてったって日曜はスポーツ!」では
毎年 全県総体のサッカーとラグビーを取材して放送しています。
テレビはその日のうちに「ABS news every.」で放送しているため、ご覧になった方も多かったと思います。
実はラジオでも楽しんでもらおうとしっかり放送しているんですね~。
廣田くんが月曜日は「ごくじょうラジオ」出演のため取材に行けないので、田村が不慣れなサッカーを、ここ数年担当しています。
テレビはカメラマンと2人で現場に行き、カメラマンが撮影、田村はテレビ用の構成を考え原稿を書きます。
ラジオは映像がないかわりに「実況」を収録するのです。
例えば6/9(月)は秋田市の八橋陸上競技場で、頼りになるヴィジュアルスペース中村茂昭さんとの取材です。
通称シゲさん
その中村さんの隣で簡易放送セットを設けて収録します。
marantz PMD660を使って、いまどき無いCFに収録。こんな感じ。わりと間抜けだったりする
テレビのことも考えつつ、こちらはこちらで廣田くんのように滑らかではないサッカー実況を収録するという、結構手間暇がかかることをやっております。
おわったら当然優勝者と敗者のインタビューも収録します。
前述の通り、テレビはさっさとその日のうちに放送してしまいます。
それが終わった後「なんてったって日曜はスポーツ!」用の編集に入ります。
ラジオはテレビより時間を多く取れるため、少しでも多くの人のインタビューをより長く放送したいと常々思っています。だから よりスマートにコンパクトに、しかもしゃべりの達人のように滑らかに喋っているよう「編集」します。
例えば「え~と そうですね 今回の・・・」というコメントの場合、「え~と そうですね」は不要です。
「えー 決勝の舞台に立てたとき えー自分的には・・・」
という「えー」というのは接頭音と呼ばれ、アナウンサーは極力無くすべきものです。
「えー」と言いながらこの時間をつかって次に喋ることを考えています。
だからアナウンサーとして「接頭音」が出ているうちは未熟です。
え?田村ですか? よーく出てますよ(笑)
「あのー」とか「えっと」「つまりですね」「あのですね」「うーん」が、インタビューとフリートークのときに田村も出てしまいます。つまりまだまだ未熟です。
一般のみなさんは喋りの職業ではないので出てしまうのは当然、しかし、この接頭音が少なければ少ないほどスマートに端的に簡潔に聞こえます。
そこで編集機が役に足ちます。
DENONの編集機で音声編集をする
一般の選手の「えー」とか「あのー」とか「不要な間」とか言い直しとか、つっかえたところを削除してスマートします。
するとあら不思議、みんなが喋りの達人のように聞こえます。
孤独な作業です。日曜はスポーツの編集はいっつも深夜までやってました。昔はDAT編集でした。ラジオ編集の量は16年やっている田村がABSでNo.1だす。その割にはあんまりインタビューは得意ではないのだ
せっかくインタビュー放送されるならスマートな方がいいですよね~。
すこしでも皆さんの喋りがよく聞こえるように手を加えます。
ただ、なんでも編集すりゃいいかというとそうではなく、必要な間もあります。
さらにアナウンサーに求められるのは「ノー編集」のインタビューです。
自然に且つ必要なことを引き出せていて、ダラダラ聞かずに適度な時間で起承転結を含めて聞けて、編集も一切いらなくなったら一人前です。
自分でマイクをもって取材して、その後自分で編集しないと何が良くて何が悪いのかが分からず、ただただ年数を重ねるだけになって「雰囲気インタビュー」しかできなくなります。
さらには新人アナウンサーは別として、質問項目を並べておいて流れもなく上から順番に質問していく、いわゆる「小学生の社会見学インタビュー」をアナウンサーがやると非常にみっともないです。たまにみかけます(笑)
結論。
自分で取材して自分で編集しないとインタビューはうまくなりません、用意された文字を伝える能力と人相手の取材力は全く異なるもの。みなさん練習しましょう。
廣田くんは毎週この編集機で編集しています
あと阿川佐和子さんの「聞く力」で「鸚鵡返し」すると良いというくだりがあるそうですが、アナウンサーがそれをやってもまるっきり評価されません。だって用意せず、準備せず、考えもせず誰でもできるテクニックですから。
お酒を飲めるお姉さまたちの店に行くと、このテクニックを使う女性のみなさんいらっしゃいますよ。
インタビュー1つとってもかなり考えながらやらなきゃいけないんですよ。簡単にはできません。
そんなもんで「なんてったって日曜はスポーツ!」はアナウンサーのラジオの訓練として非常に貢献している番組なんです。多くの地方局の中堅以上のアナウンサーが納得してくれる文章だと思っています。