ニュース
テレビ
ラジオ
天気・防災
イベント・映画
アナウンサー
番組表
動画配信
ブログ
SNS
2014年05月21日

PED

ABS news every.取材記 2014.4.16(木)

秋田県内の養豚場で豚流行性下痢(PED)の感染が拡大しています。
4/16に県南で感染疑いのある208頭の子豚が見つかったのを皮切りに全県各地で拡大しています。

またまた角館で取材中のクルーに太田直樹デスクから電話が入りました。
「PEDが出たのでそのまま南部家畜保健衛生所の外観を撮って来てください」という指令を遠隔地で受け、外観および消毒薬・消石灰を撮影してきました。

県内には県北・中央・県南と家保があるのですが、県南の養豚場で発生した疑いだったので管轄である南部家保の外観を撮影しました。


「立ち入り禁止」と言っても別に、この建物で発症したわけではありません

では県の畜産振興課 農林水産省 文部科学省に聞いてまとめた内容を記します。

【豚流行性下痢】
PED=porcine epidemic diarrhea(豚の・流行性・下痢)
農林水産省によると、主にブタが水様性の下痢をしてしまう伝染病で、まだ母ブタの乳を飲んでいるような哺乳豚は高確率で死んでしまいます。ブタとブタの移動や、ブタを載せて移動する車のタイヤ、長靴の底などから感染が拡大するそうです。世界的な流行を見せています。ブタや、種類が近いイノシシは罹りますが人には感染しません。

2013年10月に沖縄県で豚流行性下痢の発生が確認されました。
これが2006年以来の発症で 以来全国各地に症例が出ています。

4/16に秋田県でも疑いのブタが確認され、その後確定。
5/20現在 県内でPEDが出たのは9例あります。
県北から県南まで広い範囲で症例が出ています。

全国では5/19で 北海道と37県の664農場で74万頭以上が発症し約20万頭が死んでいます。
秋田県内でPEDが確認されたのは1996年以来です。

「ABS news every.」でも発症直前に、「県でも予防や消毒を徹底するよう呼びかけ、消毒薬や消石灰を配布しています」というニュースを放送したのですが、遅かったようです。


倉庫にある消毒薬と消石灰

ある農場では「うちのように、ほかの豚舎の移動がなく、うちの敷地だけで放し飼いにしているような農場では、あまり関係ないようです」と話していました。

消毒薬はなんとなくウイルスを殺すイメージがあると思います。
じゃあ消石灰って?

消石灰は 酸化カルシウムCaO に水を加えると出来る 水酸化カルシウムCa(OH)2です

化学反応式は CaO+H2O→Ca(OH)2 (2はちっちゃい文字)


消石灰 その1

昔は、グラウンドのライン引きによく使われていました。
丸山町立南小学校でも体育倉庫の水色のデカいポリバケツにてんこ盛りに石灰が入っていて、赤いライン引きにスコップで充填してラインを引いていました。石灰がなくなるとまた体育倉庫で石灰を充填して・・・ を繰り返していましたね。

ただ目に入るとちょっとまずいようで、文部科学省に問い合わせたら、学校ではなるべく炭酸カルシウム(CaCO3)か
硫酸カルシウム(CaSO4)を使って欲しいとのこと。
全面禁止ではないけれど、より安全性の高いものを使うよう7年前に学校関係に要請を出しています。
いまではほとんど消石灰は使われていないみたいです。

ちなみに硫酸カルシウムは石膏です。
炭酸カルシウムはサプリメントでもあります。
ともに黒板に書く「チョーク」として使われていますし、ともに食品添加物。
食えるみたいです(笑)

あ、食べないで下さいね。
大量に摂取しなければ大丈夫と言っていますけど「チョーク 食べる」で検索すると、実際に食べた体験談が「excite」の記事で出てきます。

これも蛇足ですが、文部科学省の担当者は、硫酸カルシウムと硫酸カルシウムのチョークは飛び散り方などが違うと話していました。


消石灰 その2

話が大幅にそれました。

この水酸化カルシウムは強アルカリ性を示すため、蛋白質を変性させたり溶かしたりするので、ウイルスにとってはたまったものじゃないんです。
ウイルスの外膜のエンベロープが溶けたり、エンベロープのない口蹄疫ウイルスでは蛋白質を変性させてしまったりと、ウイルスにとっては恐ろしい化学薬品になるわけなんですね。


消毒薬 アンテックビルコンSは 調べたところ、ペルオキシ一硫酸水素カリウムと(「ぺるおきしぃ」じゃなく「いちりゅうさんすいそ」です)塩化ナトリウム NaCl(塩)を含んでいます。ペルオキシ・・・ の化学式は複雑で書けません

養豚業者は日常から衛生状態には相当神経を尖らせています。
それでもウイルスはどこからともなくやってきて、蔓延してしまので恐ろしい限りです。

流行というぐらいなので、毎年毎年発生するわけではなく、なんらかの周期か、変異、もしくは自然環境の変化があるのかもしれません。このまま被害が拡大すれば、豚肉の価格にも影響が出るかもしれませんし、何より、畜産業者の大切な豚たちの命を奪い続けてしまいます。切に事態の収束を願っています。

掲載されている記事・写真等すべての無断転載を禁じます。Copyright © Akita Broadcasting System. All Rights Reserved.