鴻池さんと画伯
ABS news every.取材記 2013.10.14(月)
またまた回想録。
秋田放送が主催した芸術の秋のイベント「ジパング展」横手市の県立近代美術館で開催されたこの展覧会は、多くの美術ファンでにぎわいました。
古典・伝統にとらわれない自由さが魅力の「現代アート」。
出品している秋田市出身の鴻池朋子(こうのいけともこ)さんが10/14(月)にトークショーを開きました。
田村が渡邉小牧カメラマンと取材に行ってまいりました。
中央に髑髏を置き、縦1.8m 横16.3mの12枚の襖に描いたのが『シラ − 谷の者 野の者』。
21世紀を担う日本画家に贈られる日経日本画大賞を受賞した作品です。
もう期間が終わってしまったため画像は掲載しませんので、うまいこと検索してみてください。すごさがわかると思います。
学芸員の山本丈志(タケシ)さんが鴻池朋子さんに質問しながら進めていくようなトーク形態でした
で、この作品を制作したのが秋田市出身のアーティスト鴻池朋子さん。秋田南高校を卒業した後東京芸術大学に進み、そこで美術を学んで現在に至るのですが、鴻池さんのコメントの数々 なかなかでした(笑)
「古典を博物館に見に行ったりするようなときに襖はいいなあって思ってたんですよ、それは襖にかかれた絵がいいんじゃなくて、襖にかけば大体の作品はよくなるなっと思って」
「その有る意味すごくつまらない絵であっても、襖っていうものに描かれることによって違う次元に行くような仕掛けがちょっとこう入るような、そんなその部分をちょっと私は興味を持って見ている」
「また作品の中の蝶は、家の庭や旅先で見つけた蝶々が基になっている」
「みなさんの家の押し入れの襖にも絵がかいてあると思うので、西洋の1枚の絵とは違った何かを感じてもらえたら」
人が集まります!すごい人気です
絵のスペックは
タイトル 『シラ − 谷の者 野の者』
作者 鴻池朋子
製作年 2009年
サイズ 182cm×1632cm
画材 墨・胡粉・金箔・雲肌麻紙
受賞歴 東山魁夷記念日経日本画大賞を受賞
てなもので、美術に明るくない田村が理解するのにはちょっと時間がかかるかもしれない作品です。
勢いと強烈なインパクトは感じとることができます。
サイン会も開催され、みなさんサインをもらっていました
そして、この空間には“画伯”がいました。
すいません、画伯、目をつぶった瞬間撮影してしまいました・・・
以前のブログでも紹介した小野崎晶(アキ)さん。
お母さんの小野崎 静(しずか)さんと一緒です。
晶さんは自閉症のアーティストです。11/23で24歳になったばかり。その晶さんの作品集「愉 - fun - ☆akiponワールド☆」が発表されました。
40点の晶さんの作品が掲載された2100円の作品集です。
A4判で78ページ。初版500部発行だそうです。
作品は秋銀本店とか(笑)でよく目にした人もいることと思います。
晶さんの作品ももさることながら、随所に挟まれているスナップがなんとも言えません。同じく随所に書かれているお母さん静さんのコメントは。初め悩んだあと、それが喜びに変わっていく様子が短いながらもダイレクトに心に伝わります。
そしてこのブログを読んだ方、前回も話した通り、「自閉症」への理解を広めてほしいと思います。
「ひきこもり」じゃない脳の障がいといわれている病気への理解をぜひ深めて下さい。作品集を読むと、その一部が端的にわかります。
そうすると、自閉症の人達の行動が理解できるようになります。
そうすると、晶さんの作品の深い部分が感じられるようになります。
そうすると、世の中に優しくなれると思います。
この日、横手市は秋晴れでした。晶さん親子と会うと、なぜか元気をもらいます。
晶さんの作品集を詳しく知りたい方は大仙市大曲須和町にあるヘアーサロン・オノザキまでお越しください。
今なら3代にわたる理容師が、ハサミをもってお待ちしています。