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2013年12月10日

増税後の経済対策

ABS news every.取材記 2013.12.5(木)

4月の消費税率引き上げ時に景気が冷え込むのを防ぐため、政府は5.5兆円の経済対策を12/5の臨時閣議で決定しました。

この件で県内の経済に詳しい専門家を12/05(木)に訪ねました。秋田銀行本店内にある秋田銀行のシンクタンク「秋田経済研究所」松渕秀和所長です。


松渕秀和所長はハピネッツブースターです

まず県内の県内の景気を尋ねると?
「BSIを見ると秋田県の場合は上向いていると言える」
とのことでした。

BSIというのは「BS-i」というBS-TBSの過去の名称ではなく、「景況判断指数」のこと。(Business Survey Index)

例えば、県内の企業100社にアンケートを求め、9月の時点で「下半期 お宅の会社は景気がよくなりそうですか?」って尋ねます。

「よくなりそーですね」 って答えた企業が56社
「いやもっと悪くなるよ」 って答えた企業が44社だったばあい

良い企業の割合=56社÷100社=56%
悪い企業の割合=45社÷100社=45% 

「良い%」−「悪い%」=56−44=11      

この値がマイナスじゃないっていうことは、下半期良くなりそうな会社が多いっていうことです。11というのはプラスの数値なので、9月の時点で良くなりそうだと考えている企業が多い。つまり景気が全体的にはいいのではないか?と考えます。

ちなみに、秋田経済研究所で実施しているこの調査は年2回。
新年度の上半期よくなりそうですか?ってきくのと下半期どうなりそうですか?
って尋ねます。


松渕秀和所長は弊社社長の中学校の先輩です

毎回企業に予測してもらっているわけですが、今回のこの数値、景気予測がプラスになったのは2期連続。
その前が平成16年度の上期だったことを考えると明るい材料の"1つ"なのだと思います。

ただし、当然業種によって偏りがあります。
製造業などはよいところが多いのですが、アベノミクスにより、円安が進んだため輸入したものを原材料に使っている企業はちょっと大変です。
まだまだ 総じて景気がいいとはとても言えません。

で今回の、政府の経済対策について聞いたところ、松渕所長は、前回の消費税増税時1997年にも駆け込み需要があり同時に反動減もあったと話しています。


これが秋田経済研究所が毎月発行している「あきた経済」の一部。10月号です

消費税率が 5%→8%になると買い控えなどで景気が冷え込む可能性があります。それを防ぐための対策が今回の経済対策です。

・低所得者や子育て世帯住宅購入者支援で   約0.6兆円
・医薬品開発研究&東京五輪インフラ整備等 約1.4兆円
・待機児童の解消や高齢者の就業支援等   約0.3兆円
・復興、防災 安全対策           約3.1兆円

 足し算をして 総額 約5.5兆円

松渕所長によると、前回消費税が上がったとき、1997年当時は政府は3%から5%に消費税を上げると同時に特別減税廃止&公共事業などの政府支出削減というような緊縮財政を敢行しました。
一方で外的要因のアジア通貨危機や山一証券の破綻などもあってデフレーションを決定付けたといわれています。


お孫さんもいらっしゃいます。これは後日の企画で明らかに・・・

経済政策は良かれと思ってやってるけど、結果がどうなるのかは分からない。
科学実験とはわけが違います。

しかも社会情勢 社会環境 テクノロジー 人口構成 国際情勢も日々刻々と変わるため、科学のように同じ、まったく同じ条件での対照実験はできません。

医学であれば 
「この薬、効かなかったんですか?じゃあ、別の薬を処方しましょうか」

化学であれば
「この薬品にこの物質を混ぜて沸騰させると○○が出来るはずなんだけどなあ。じゃあ 温度を変えてもう一度混ぜてみよう」

バイオでも
「このDNA配列を変えてみたけど、何も変わらなかった。じゃあ、別の配列を変えて作物をつくってみよう」

DIO-SRでも
「ボアアップしたけどスピードが上がらない。別のDIOのエンジンを積み替えて、もういちどボアアップにチャレンジしよう by田平」

とやり直しがききます。経済政策はそうはいきません。

Aという政策を実施して上手くいかなかった場合、そのときにはもう年月も経っていて、流行もかわっていて、外交問題が悪化して、輸入輸出にも影響が出てるかもしれない。つまりAがダメだったらBという施策が通用しない可能性が大です。おまけに国会で追及されるわ、マスコミに叩かれるわ、世論も批判的になり支持率も落ちる。
もはや何にもできません(笑)

だからそれだけ、専門家を含めて慎重に議論を重ねることが必要なんです。
景気回復と売り上げアップ、視聴率アップに特効薬はないと思います。
売り上げと視聴率の特効薬は以前の団体交渉の事務折衝時に聞いた記憶が・・・

政治家は「もしもボックス」が欲しいところです。
選挙のときからでしょうけど。

今回のアベノミクスの経済対策は、前回の反省を踏まえて緊縮にしない方針です。公共事業も実施するようです。

吉と出るのか凶と出るのか?


最近は田村と、取材じゃなく、県立体育館や秋田幻橙夜2013でよくお会いしてました。県内経済の視察のために、よーく行事イベントに足を運んでいらっしゃいます。ホームのときは遠慮なくお使いください(笑) 立田の了解もとってます。

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