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2013年11月29日

季節ハタハタ

ABS news every.取材記 2013.11.28(木)

男鹿市船川港で11/28、 「季節ハタハタ」約1.5tが水揚げされました。
今年もハタハタのシーズンがやってきました!

「季節ハタハタ」っていうのは、産卵のため接岸するハタハタのこと
季節ハタハタ漁はそのハタハタを定置網なんかで捕まえる漁のことです。
沖合で底引き網を使って捕る漁に対して沿岸で捕るのが季節ハタハタ漁と言われています。

毎年、11月下旬から12月上旬にかけて、回遊していたハタハタが卵を産むために秋田県沿岸を訪れます。
そこを一網打尽にするのが沿岸のハタハタ漁です

菜の花が千葉県の花なら、ハタハタは秋田県の魚です。
『築地魚河岸三代目』にハタハタのいい話が掲載されてます。
ぜひ読んでください。

この魚が産卵のためやってくると「冬が来たなー」と思うわけです県民は。
ちなみに初漁は去年より2日早かったんです。去年もっとも早かったのは船川でした。

漢字も良く出来ています。
魚偏に「神」と書いて【鰰】ハタハタ 
と読みます。寿司屋の湯飲みに書いてあったら見つけてね。

天気の勉強をしている報道部の高橋由香ちゃんに聞くと、11月の中旬から下旬にかけては秋田も結構な勢いで
寒くなり始めます。つまりは秋田県にはこの時期寒気がいらっしゃっることも多くなるわけです。
んでその「寒気」と「あったかい空気」が混じると空気がごちゃごちゃになって、いわゆる「大気の状態が不安定」ってなことになり、雷が鳴るわ、雨が降るわ、寒気が強ければ雪になるわ、場合によっては竜巻らしきものも発生するわで気象が荒れて来る。つまりはその寒くなって雷が轟く11月の下旬になると、ハタハタが来るよっていうことで、雷かみなり→神かみ という漢字を当てて 漢字ができたんでしょうね。国字です。


これがハタハタ 鱗のない魚で食べやすいよ

だから魚偏に雷と書く字もあるはずなんですが、なぜか、三省堂の「漢辞海」には掲載されていませんでした。異体字なのか?IMEではUnicodeとして登録されています。

閑話休題、この日は16:33まで沿岸に「暴風警報」と「波浪警報」が出されていました。
そこで秋田県漁業協同組合の各漁協の網の対応一覧です。

北部総括支所 網は入っているけど船は出てない
北浦総括支所 11/29に網を入れる予定
船川総括支所 湾になってて波も穏やかで網にかかってた
南部総括支所 例年12月に入ってから網を入れる

で、今年も船川地区でファースト季節ハタハタがゲットでたようです。


カメラはヴィジュアルスペース中村茂昭さん

田村が訪れたのは午後2時ごろ。ハタハタの選別が行われていました。
価格で言うと メス>オスなんです。
もちろんでかい方が価格もいいので、大きさ別、オスメス別に分ける作業も必要になってきます。
ハタハタの卵は「ブリコ」と呼ばれ食感が楽しくプチプチとネバネバしています。
いずれブリコを持っているメスが重宝されます。

初水揚げは20から22cm前後の3歳魚の大きめのハタハタが中心だったようですね。
夕方5時からは船川総括支所で初競りも行われました。


漁業関係者も気合が入ります

県水産振興センターも すごいですねー
初漁予想日が11/29でほぼぴったり!
海も荒れて、順調に海水温も下がってきているとのことでした。この日獲れたのは先発隊。
まもなく本体も接岸することでしょう。

ひょっとしたら時化のため網が入れられないだけで
本当は本隊も来ているのかもしれませんが・・・


すごい量 これで先発隊ですよ

なおハタハタ資源対策協議会は今シーズンのハタハタの漁獲可能枠を1920[t]に定めました。
昨年より30%少なくしています。沿岸1152[t]沖合768[t]

秋田県水産振興センターでは資源量が少なくなっているような旨の分析をしているため、獲る量を減らしています。

田村が秋田県に住む前、1992年9月から1995年8月までハタハタがあまりにとれなくなったため全面禁漁になりました。
その甲斐あって、近年ハタハタの量は増えているとみられていたんですが、また減ってしまったのかもしれません。

3年ぐらい前の共同通信の原稿で
「2050年ごろ日本周辺で捕れる魚の平均体長は23cmぐらいになる」というショッキングなニュースをラジオで放送しました。乱獲や環境汚染などで生態系が破壊され、世界中で漁獲高が減少し小さい魚しかいなくなるというリポートを国連環境計画がまとめたというニュースでした。

海は地球の7割を占めているからと言っても、意外と魚も食べ物に困っているケースは多いようです。
その魚を乱獲してしまうと、当然食物連鎖もおかしくなり、まわりまわって人間は自分の首を絞めることになります。

1億総グルメ時代 ましてや中国でも水産物をずいぶん嗜むようになってきたとか・・・

海は広くても魚は「生き物」です。資源に限りがあります。
ハタハタだけではありません、マグロが食べられなくなる時代が来るかも・・・なんていう報道もされてる昨今、育てる漁業も各地で行われていますが、基本的には狩猟によって食べ物を獲得しているわけです。いずれ海洋生物は人間によって絶滅に追い込まれそうな勢いです。

農業と同様、栽培漁業に期待するのと同時に生き物の命をいただいていることを忘れずに。

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