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2013年11月27日

マイクロ投資ファンド

ABS news every.取材記 2013.11.6(水)

11/06(水) 秋田市の秋田キャッスルホテルで4社合同の記者会見が開かれました。
キーワードは「マイクロ投資ファンド」です。


中央やや左のカメラが赤坂悟キャプテンです

おお、またケーザイの話だ。
経済やマネーの話は若干非日常的で難しいんだけど、田村なりに紹介します。

北都銀行は「資金を集めたい企業」に対して、投資会社を「紹介する」という仲介業務に力を入れていくと発表しました。

その投資会社が募っているのが、インターネット上で1口数千円から数万円程度の資金を集めて中小企業を支援する資金調達方法が「マイクロ投資ファンド」なんです。

事業単位で小口の投資を募る「マイクロ投資ファンド」。
経済はそんなに詳しくない田村も、今回「投資」を勉強しました。


第1段階 投資をよびかけるよ!

資金がほしい企業があったとします。
その会社、今回は仮に醸造会社としますが、投資会社を通じて全国の一般人(投資家)に

「うちに投資してください!投資してくれれば、つまり資金さえあれば素晴らしい日本酒を造って利益を出すことができるんです、でも資金がないんです。
日本酒が売れて利益が出たらみなさんに還元しますので、何卒よろしくおねがいしまーす」

てな意味合いで 投資を呼びかけます。


第2段階 お金が集まり始めたよ!

するとネット上で全国から投資家が集まります。
秋田県内だと経済規模などで限界がありますが、全国だと飛躍的に投資家の数も増えていくので共感する人も増えてくるわけです。


第3段階 日本酒ができたよ!

そしたらその資金を元手に、メーカーは、旨い日本酒を造ります。


第4段階 お礼を返すよ!

メーカーは、投資してくれたお礼として旨い日本酒を投資家に配ります。


第5段階 出資金にいろをつけて返すよ!

あとは利益が出たらその一部も配当という形で出資金に上乗せして返金します。
もちろん利益が出ないケースもあるので、そんな場合は元本割れっていうことになります。あくまで投資なので・・・

「投資ファンド」っていいますが、わかりやすく言うと「株」みたいなもんです。

1 成長が見込める企業の株を買う。
2 その資金をもとに企業は活動して利益を出す
3 利益が出たら株主に配当として渡す

企業によっては「株主優待」として牛丼券だとか、飛行機割引だとかいろいろな特典がついてますよね。
それが今回は「大吟醸 酔楽天」だったというわけ。


赤坂先輩が撮影しているのが「酔楽天」
下戸田村と違い、キャプテンは結構呑んでます

株と違うのは株は出資した資金は企業がどう使おうが勝手です。
ただし今回のようなマイクロ投資ファンドは使い道を「酔楽天」に限定しています。
MS社の WEBをみると使い道も細かく記載されているんです。

だけどもだっけど・・・

なんで北都銀行はこんな紹介業務をするんでしょーか?
投資会社はどちらにしても手数料が入るのでいいんですが、北都銀行と酒造会社のメリットは??

「そのまま銀行が融資すりゃいいんじゃないの?」

という疑問を持つ人もいるでしょう。
両者にはいくつかのメリットがあります。

銀行としては 融資を持ちかけられたとき・・・

「この新商品の事業計画だと、うちの融資の審査が通らない可能性があります。だったら○○さん、資金を集める方法今はこんなやり方があるんですよー、お教えしますよ、なんなら紹介もしますよー」
って言えばどうでしょうか?

銀行は融資してないので焦げ付く心配なし (゚Д゚)ウマー
企業も資金が集まる (゚Д゚)ウマー
投資会社は利用してもらえるなら手数料が入る。(゚Д゚)ウマー

いやらしい話をすればこの点ではWIN-WINです。

ただマイクロ投資ファンドはそれだけが目的ではありません。

企業からすると「大吟醸 酔楽天」という日本酒を全国の人に知ってもらうことができる!
これが最大のメリットなわけです。
テレビコマーシャルもラジオコマーシャルももちろん効果があるのですが、いわゆる口コミの端緒をつくり地味だけどジワジワ広がっていってもらえるような戦略になってるわけです。ネットには国境も県境(ケンザカイ)もありません。九州の人がネットで知って「酔楽天」のファンになってくれるかもしれないんです。

これが企業の狙いの一番のようです。
同時に、地方銀行である北都銀行としては、ある程度手数料が入ることもメリットとしてありますが、どんな形であれ地元企業が活力をつけてくれると、まわりまわって預金につながりそれがひいては銀行としての利潤を生み出します。

うーん 経済とはよくできているんもんですね。
きょうもブログがなげーよという批判はかわします。

報道部の後輩もたまに読んでるみたいなので、池上彰さんとまでいかないまでも、なるべくわかりやすく後学のために記しておきます。

出席した4氏は左から順に


・ミュージックセキュリティーズ小松真実(マサミ)社長
・秋田酒造の野本眞子(チカコ)社長
・伊藤漬物本舗の伊藤明美(アケミ)社長
・北都銀行 斉藤永吉(エイキチ)頭取

ミュージックセキュリティーズ(東京)と北都銀行は2月に荘内銀行とともに、東北の地方銀行で初めて業務提携しました。これが縁(?)でこうした紹介・仲介業務にも力を入れていくと発表したんです。

ミュージックセキュリティーズ(長いのでMS社にします not Maicrosoft)の場合、多くの賛同・応援・支援を得られそうな企業を WEBで紹介します。
そのWEBを見た投資者は WEBから出資を申し込んで集まった投資金は手数料を引いた後に支援企業に渡されます。

なお第1号の秋田酒造は10月下旬に1口5万円で出資を募り、わずか15時間で首都圏を中心に78人から 450万円を集めたそうです。
売り上げに応じて配当を出し出資者には「酔楽天」3本が届く特典もついてます。償還期間は3年です。


秋田酒造の野本眞子(チカコ)社長

言ってしまえば、日本酒3本はもらえることになっているので、元本割れしても「まあいっか、日本酒もらってるしチャラだな」みたいな感じに思う人も増えるでしょうね。利益が出ればいいんですが、あくまで投資ですから。お間違えのないように。そういうところも小額・小口投資のよさなのかもしれません。

2社目は秋田名物いぶりがっこを作る湯沢市の伊藤漬物本舗、現在も募集中です。
1口3万円で募集を始め、1122万円の資金調達を目標としています。
火災で全焼した設備の購入に充て生産拡大を目指す方針です。


頭取なのにとっても気さくな北都銀行 斉藤永吉さんです
北都銀行は仲介業務としては10社程度と商談中だとか・・・


最近リニューアルした 北都銀行本店です

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