ニュース
テレビ
ラジオ
イベント・映画
アナウンサー
番組表
動画配信
ブログ
ABSあぷり
SNS
2013年11月19日

内部被爆検査

ABS news every.取材記 2013.9.26(木)

少し前になりますが、秋田市山王中島町にある県生涯学習センターで県内に避難している福島県民を対象にした内部被爆検査が9/26から9/29までの4日間行われました。福島県が実施しました。

もちろん福島第1原発事故で秋田県内に避難している福島県の人達が対象ですが、今までこうした出張の検査って行われてなかったようです。当然福島県内では頻繁に実施されていたようですけど、他県に避難している人達となると目が行き届かないこともあります。その解消のために
栃木県 山形県に続いて秋田県でも行われました。

車載式内部被爆検査装置「ホールボディーカウンター」を(WBC whole body counter)は、体内に存在する放射性物質を体外から計測する装置です。

体内のセシウム134、セシウム137の2種類の放射性物質を測定して生涯その人が受ける線量を推計するんだそうです。

取材した日は33人が検査を受けました。4日間では約230人が受けています。福島県の県民健康管理課によると 秋田での検査で年間の推計が1[mSv]を超えるような人はいなかったとのこと。

内閣官房のワーキンググループの報告書には
「年間 100[mSv]以下の被曝線量では、他の要因による発癌の影響で隠れてしまうほど小さく、放射線による発癌リスクの明らかな増加を証明することは難しい」
と書かれているので、1[mSv]はそれよりも大幅に低線量であるんだろうというのがわかります。

セシウムは元素記号で「Cs」。134と137は放射性同位体です。

化学が苦手だった人、そこ、逃げない!

セシウム134とセシウム137はおんなじセシウムでも重さが違うんです。
なんで重さが違うかというと・・・

中学の時に習ったかと思いますが、原子は原子核の周りを電子が回っています。原子核は中性子と陽子(ヨウシ)から成っています。
そのなかの「中性子」なるものの数が違うというのが放射性同位体です。

Csの原子番号は55、原子番号=陽子の数。つまりセシウムは55個の陽子を持っています。

セシウム137は 137-55=82 82個の中性子があるっていう計算です。

セシウム137とか134って言ってる数字は、言い換えれば陽子と中性子の数を足したもので=質量数といいます。

本来は Cs の左上に二乗のように小さい数字で表記します。

中性子の数が変わってくると、平たく言うと不安定になってきます。

たとえば同じ無人島で男性10女性10で生活してたら比較的安定してるんだけど、これが男性20女性2のような人口構成になると、不安定になって争いが生じてきます(笑)。
イメージはこんな感じですが無理がありますかね?
不安定だと

水の分子式 H2O(エイチツーオー)で 普通の水素原子より「ちょっと重い」水素原子を使うと、水自体もちょっと重くなり重水というものができあがります。

話がそれましたが、原子核のにある「陽子と中性子」は
陽子の数=中性子の数 だと安定
陽子の数≠中性子の数 だと不安定 っていうのがおおまかな解釈です。

つまりはセシウム137とか134って言っているものは不安定で放射線を放出する。そんなCsが微量でも体内にあったら放射線を体の内側から浴び続けるということになり、放射線を受けた細胞は傷ついたり、イオン化したり、DNAが欠損したりするそうです。多量の放射線を浴びれば細胞自体が死んでしまうとか・・・

このへんはよく勉強していないので 詳しくはネットで確認してください。


これも検査機器の1つです

まず秋田に避難していてこの検査を受けた人のなかに内部被爆をしている人がいなかったというのはよかったと思います。こうした検査は山形・岩手でも行われ、宮城は11/20 から。京都や兵庫でも来月実施されます。

福島に住む人たちも含めて目に見えない放射線だけに、心配の種は尽きません・・・

掲載されている記事・写真等すべての無断転載を禁じます。Copyright © Akita Broadcasting System. All Rights Reserved.