言葉の因数分解 2
先日の秋田県の高校入試の数学でも、
因数分解を使えばすぐに回答が出せる問題がありました。
言葉の因数分解のパート2です。
前回のパート1で
「因数分解された言葉で 未だに気持ちよく
言葉を発する事が出来ない言葉がある」
それが「忘新年会」と「利活用」です。
(中略)
忘年会+新年会=(忘+新)年会 → 忘・新 年会
利用+活用=(利+活)用 → 利・活 用
も嫌いで個人的に使いたくない言葉のひとつです。
と書き綴りました。
また20年も前の話に遡ります。
大先輩の柳沼アナウンサーにも指摘されたのを思い出しました。
■国内外
「国内外 こくないがい」と、
アナウンサー1年生の田村が原稿に書いてある通りに読んだところ
『「国内外」という言葉は無いでしょ。
「国の内外」と直しなさい』
と教わりました。
「国内・国外でも」と使いたい場合、因数分解をすると
前述の通り、文字数も音数も省略できます。
国内+国外=国(内+外) → 国内外
なので、こんな表現が使われているんだろうと。
ただ日常では「こくないがい」って使わないですよね。
会話なら、「日本でも、海外でも…」と言うはずです。
ニュースは 喋り言葉と 書き言葉の中間と言われているため
そこは置いておきますが、基本的には日常会話では耳にしない言葉です。
今記者が「国内外」と書いても、「の」を入れて「国の内外」で読んでいますので
「ABS news every.」を よーく聞いてみてください。
同時に、「エビス堂☆金」の
「ちょっと気になるヨン」というコーナーのナレーションを担当している田村は
先日、テレビ制作部ディレクター鎌ちゃんの依頼で、
中通のオシャレなカフェのナレーションを録りました。
そこでも実は「国内外」という言葉が登場していました。
「いろいろなところから仕入れた品を~」のときに
「国内外」という表現を使っていたのですが、
オシャレなカフェで「国の~」という表現は まったく合いません(笑)
報道原稿じゃないんだから。
そのときは「国の内外」という表現じゃなくて
「国内や海外から~」と表現を改めて、収録しました。
■離着陸
さらに因数分解は続き、「離着陸」というのも
「離陸」と「着陸」を一緒にした言葉です。
なぜか、この言葉だけは気持ち悪さ無しで発することが出来ます。
子どもの頃から耳にしていた言葉だからでしょうか?
離着陸の派生で「離発着」がありますが、これは誤りの部類に入る言葉です。
対義語の因数分解ではないというのが誤りの原因。
何を難しく言っているのかと言うと
離陸←と→着陸 これは対義語です
輸出←と→輸入 これも対義語です
国内←と→国外 これも対義語です
「離発着」は 「離着」「発着」という
類義語的な熟語を更に因数分解するという変な言葉なので
多くの日本語の本に
「離発着× → 離着陸○」と改めましょうと記されています。
■輸出入
ほかに気持ち悪いのは「輸出入」
「輸出」と「輸入」でいいじゃん!
と突っ込みたくなります。
■除排雪
「除雪」と「排雪」 雪国ならではのニュースワードですが、
「除排雪」は今も言いたくない言葉です。
細かく言えば違うんでしょうけれど
「除雪」だけでいいじゃん。
探せばまだまだありました。
ただ、以下のものは それほど違和感を覚えないものばかりです。
■得失点 スポーツニュースでお馴染み
■祖父母 これも 祖父+祖母ですよね
■中高層 中層+高層 火災の種類です
■中高生 中学生の略+高校生の略(笑)
■小中学生 小学生+中学生
■中長期的 ジュグラー・コンドラチェフだっけ?
つまりは、耳慣れていたか否かという点が気持ち悪い、いや普通に聞こえるの分かれ道になるのではないかと思います。
「利活用」や「忘新年会」もきっとその部類の言葉に入ってくるのかもしれません。
言葉は動いています。
んで、おまけで書くと
廣田くんと私、田村が スポーツ取材に出るときは
「廣田村」と書きます。
報道部の太田直樹デスクと 田村が一緒に動くときにも
「太田村」と書きます。
報道部の太田朋孝記者と田村は同時に動かないので、考えた事はありません。
鴨下さんと美知子さんが動くなら
「望美知子」と書くと1文字省略できます。
関向さんと井関さんが共にラジオに出るときは
「井関向」です。
酒井さんと井関さんが共にラジオに出るときは
「酒井関」です。
酒井さんと井関さんと関向さんが一緒に仕事をするならば
「酒井関向」となって3人4脚のような字面になり、
井関さんが見えなくなって、酒井さんと関向さんが並んでいるだけのように見えてしまいます。
有希さんと鴨下さんの合弁事業は
「有希望美」となって
四字熟語の中に希望を見出せます。
すでに今回のブログは迷走しています。
私の父の名は「勝」と言います。
私、田村の名は「修」と言います。
私の母 満子が、三十数年前
「まさる」と「おさむ」で「おさる」だと言って
名前の因数分解をして喜んでいたことを思い出しました。