秋田刑務所 3
ABS news every.取材記
2017.11.24(金)、12.13~15(水~金)取材/2017.12.28(木)放送
(田村のブログ 18/02/08の続き)
秋田刑務所は「再犯者」あるいは「累犯者」が多いということを記しました。
「ABS news every.」の年末スペシャルでも放送した通りです。
刑務所は あらゆる自由が制限される場所です。
食べ物 会話 生活 寝る時間 仕事などなど
それなのに、なぜ刑務所に戻るのか?
▼出所したけど、住む所も金も仕事もないので
また刑務所に戻ったほうがいい
雨もしのげて食いっぱぐれもない
というようなパターンがひとつ。
▼アルコール断ちができずに、出所後 冷静な判断や 理性を失い
暴力などの事件を起こしてしまった
というようなパターンもありますし
▼出所してから、刑務所で友人になった仲間
昔の悪い仲間が唆して 悪い道アゲイン
というようなケースもあるようです。
当然、刑務所は税金で運営されているわけで、罪を犯す人がいなければ、必要がなくなります。
ただ歴史を見ても、世界を見ても刑務所がない国はなさそうで 多くの人間が社会生活を営む以上は、ユートピアでもない限り必要な施設なんでしょう。
話を戻すと、若気の至りで罪を犯してしまうこともあるかもしれませんが、刑務所は何回も入るものではありません。
加えて、刑務官の苦労というものも半端ではありません。
そして生産年齢人口ならば、ほかの人の為になる「仕事」をして勤労の義務を負うべき(刑務所内でも懲役がありますが…)だと思います。
それで社会が成り立っていますので。
一部でしか有りませんが、刑務所内では再犯を防ぐため、さまざまな取り組みをしています。
今回取材をしたのが、アルコールに対する勉強会でした。
アルコールを絶つことを目的とした大テーマで
・飲酒のサイクルを止める
・飲酒の外的、内的な引き金
・ストレスの対処
・断酒生活
・再飲酒の兆候
などなど、いわゆる座学です。
比較的出所が近い受刑者5人を集めて、座談会というか、半授業形式で質問して答えて、みんなで共有してという形で「アルコール依存回復プログラム」を実践していました。
半年間で12回の授業を受けて、基礎知識を蓄えます。
田村が全くアルコールを飲まない(大の苦手)ので、アルコールに因る「再犯」というのが若干イメージしにくかったのも事実です。
ただし刑務官の話では「みんな断酒できたら、かなり再犯者は減る」とのことでした。▼印の2番目の理由ですね。
アメリカのテレビドラマでたまに見かける匿名断酒会のような雰囲気もありつつ、受刑者はしっかりと「断酒」と向き合っているようにそのときは見えました。
およそ1年前の2016年12月には「再犯防止推進法」が成立しています。
刑務所も自治体も出所者の支援を充実させて、再び刑務所に戻らないようにすることを目的としています。
なかなか刑務所の中の様子、刑務官の取り組みは、メディアで公開されることが少ないのですが、今はこういう時代です。
根本からなんとかしようという各所の取り組みが伝わりました。
因みに、なんで刑務官の顔も「NO MORE 映画泥棒」のカメラ男のようになっているのかというと…
受刑者からのリベンジなどを防ぐためです。
(↑このリベンジは正しい用法です。
西武の松坂大輔投手がルーキー時代に使って定着してしまいましたが、
本当はこんな意味。
借りを返すとか 再挑戦の意味じゃありません。
「アルカノイド リベンジオブDOH」という
タイトーのアーケードゲームも思い出されます)