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2014年09月1日

佐々木常夫さん

ABS news every.取材記 2014.7.10(木)

今週田村は夏季休暇を貰いました。
ABS news every.は1週間先輩と後輩にお任せして休みます。

ただ、WEBのリピーターも数名いるようなので、ブログだけは継続しておこうと思います。
今週は偉人列伝シリーズです。

北都銀行の顧客である経営者などが会員となっている「北都会」という会があります。
この会ではさまざまな著名人をお招きして、講演会などを開いています。


第42回北都会の様子 「写ルンです」のパノラマ風です

7/10(木) 秋田キャッスルホテルに、講師として秋田市出身の佐々木常夫さんが招かれました。
時間が限られた中、佐々木常夫さんにインタビューさせてもらいました。
この様子は 7/11と7/18の2日に渡ってABS news every.で特集として放送しました。

みなさんは佐々木常夫さんを知っているでしょうか?


秋田キャッスルホテルを訪れた佐々木常夫さん。写真右隣は田村です

基本データです。

・1944年 秋田市で4人兄弟の次男として誕生
・6歳で父を亡くす
・秋大附中-秋田高校-東京大学経済学部
・東レに入社し、歴代3人の社長に仕え最後は経営者
・東レのシンクタンク経営研究所の特別顧問
・現在は佐々木常夫マネージメント・リサーチ代表取締役
・自閉症の息子と病気で入退院を繰り返す妻の世話に忙殺
・忙殺を乗り越えるために、仕事の時間短縮術や独自のリーダー論に行き着く
・ワークライフバランスや仕事術やリーダー論などの著書多数


インタビューする田村。厳しい面と優しい面を同時にもちあわせた方でした

まとめると、優秀なバリバリのビジネスマンだった佐々木さんは働き盛りのなか、自閉症の息子を含め、病気で入退院を繰り返す妻、「妻と3人の子供」の育児・家事・看病をするために、毎日夕方6時で帰らなければならなかった。しかも転勤も出向もあり、環境も安定しなかった。それを乗り越えるために徹底して仕事の効率化を図り、ムダを省いた。その結果、仕事と家庭の両立を果たしたという、絵にかいたようがスゴイ人です。

こうしたことをみなさんの前でユーモアも交えながら時には厳しく、ときには優しく話して下さいました。

しかも管理職になってからは、毎週60時間あった部下の残業を一桁にまで減らしたとか・・・つまり頭を使っているということ。
同時に、優しさが無ければ成し得ないことだと思います。

仕事も家庭も結局は人と人同士のやりとりです。
いくら業務遂行能力や金勘定能力、アイデア力、事務作業力が高かったとしても、優しさがなければ何にもならない。
ということを佐々木さんは教えてくれます。

佐々木さんが講演で話してくれた一部を掲載しておきます。
これは書籍などでも書かれていることと重複しますので、ぜひ、書店で読んでみて下さい。ヒントになることも沢山あります。コンビニでもビジネス本のところに並んでいた記憶があります。きっと多くの人の目に触れていることでしょう。


佐々木常夫さんの書籍のごく一部

『良い習慣は才能を超えると思う。
 少々能力がなくても、良い習慣を持っている人は毎日、確実に成長していって、才能ある人を抜いていきます』


表紙をあけたページに、ついついサインしてもらった田村

『周りには、重荷を背負った人は案外多いです。身体障がい者、精神疾患の方というのは日本に750万人いる。
 家族も入れたら3000万人近い人が、家族にハンデがある。
 ちょっと手を差し伸べてやることが、大きな救いになる。
 それに、障がいや病気を持っているという事は、恥ずかしいことでもなんでもない。
 誰でも等しく持っているリスク。
 いつ自分の周りに起こるかわからないという事だと思う』


物品や料理をしっかりはっきり見せるために撮影することを「物撮り(ぶつどり)」と言っています。カメラの竹内さんをスライドショーでご覧下さい

『強くなければ生きていけない、優しくなければ生きる価値がない。
 つまり強い自己主張をもって、俺が俺がという風なことをやって、ガツガツやる、やらなければ生きていけない。
 だけど優しさがなければ本当に生きている価値がないんですよっていう。
 だから人間には両方要るんだということですよ。
 私は仕事のことについて言えば、人を押しのけてでもやらなきゃいけない局面がある。だから取締役にまでなった。
 それは私の強い面が出ているけど、その周りのひととか家族に対しては優しくなければ。
 だって出世した人が家族に尊敬されているとは限らない訳ですからね。
 友人に大手商社の常務がいたが、大手商社の役員の半分は家庭が崩壊してるって言ってます。
 朝から晩まで働いてね、転勤も繰り返してね、家庭の事、顧みないで一生懸命働いた結果、
 大手商社の役員になってる。
 だけどそれは本当は家族の事もケアしなきゃいけないのに、それはやっていない。
 折角偉くなったけど、定年退職したら家族とは全然別の世界にいたとしたら、それはその人にとっては不幸。
 バランスをとりながら生きて行かなきゃいけないっていうことを、私は言いたい』


たまにいたずらっ子のような笑顔を見せる佐々木さん。そうですかOG中村と同級生だったんですか

『普通の人は会社に行くと、とりあえず仕事を始めます。
 気がついたら夕方、はい、残業やろうかとこうなっちゃう。
 私はデッドラインを決めて追い込めと言っています。
 この仕事は午前中に片付けろ、この仕事は今日中に片付けろ。
 自分でデッドラインを決めて、自分を追い込んでいく。
 ダラダラダラダラ仕事をしない。そして仕事は最短コースを選びます』

『つまらない会議はやらない。会議は極力短く資料は簡潔に。
 ビジネスは予測のゲーム。先手先手で仕事をやる。
 忙しい時の残業は仕方ないが、通常は全員定時に帰ってもらいます。
 全員定時に帰すと言う前提で仕事を組み立ててもらいます』


取材や編集、インタビューのシーン。北都銀行の斉藤永吉頭取も挨拶しています

『6分で話をするのは簡単です。3分で話をするのは難しい
 資料を5枚は簡単です。資料1枚は難しい』

『常に10人以上の部下を持つ管理職は、プレイングの暇はありません。
 管理職というのは、その組織を構成する全体の輪を最大限にもっていくというミッションを持っています。
 会社の仕事は特定の人間に偏っているんです。
 適切な配分にしてあげなきゃいけない部下の監督と成長の為の時間がいるんです。
 だからプレイングマネージャーはありえない』


貴重なお時間を有り難うございました

最後に佐々木さんの一言

『私のリーダーの定義は、その人と一緒にやっていると勇気と希望をもらえる人』

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