ABS秋田放送

2018年03月1日

受刑者 2

ABS news every.取材記 2017.12.13~15(水~金)取材/2017.12.28(木)放送

「ABS news every.」の年末スペシャルで放送した秋田刑務所
そして、受刑者にもインタビューした記録を継続して綴っています。

テレビ映画の世界でないと、刑務所の中のことは放送されません。
矯正教育というものの一端でも知ってもらいたいという思いも有ります。

受刑者01
受刑者Aさん 3回目の刑務所
初めての受刑者インタビュー

取材当時、62歳の関西地方出身
奥さんとは離婚しているけれど、交流はあり
長男がいて、孫が2人

今回で3回目
30代で1回目の入所 強盗致傷で6年
40代で2回目の入所 商標法違反で1年4か月
今回で3回目の入所 詐欺で6年

受刑者Aさんのインタビューの続きです(前回のブログはこちら

今回思ったことは 幸いなことに私の長男が塗装会社を経営してますんで、私もこの年なので出たら、そこへアルバイトに。アルバイトをしながらでも あとはもう孫の 成長を見送って、そう言う生活をしたいと思っています

お孫さんは おいくつですか?

上が小4で 下が小2 男の子です

お孫さんは Aさんがここにいるのを知っているんですか?

いや知りません。『おじいさんから急に電話来なくなったね』と、妻にそんなこと 言ったらしいです

これまでは定職につかなかったと話していましたけれど、今は漆塗りを学んでいますよね。どんな気持ちで学んでいるんですか

受刑者02
漆塗りを学ぶAさん

私は刑務所に来て無駄な時間を過ごすんではなく、何かひとつでも学んで帰りたいと思い、漆の訓練を申し込んだ訳です息子の塗装業にも通じるものがあるので…

刑務所の生活はつらいですか?

厳しくないと言えば嘘になるんですが、私の場合は罪を犯し 今ここにいるわけで、その今現在厳しい生活を私は受け入れてます。制限されているから厳しい面が多々あります

今回の3回目の刑期を終えたら、また入るようなことはしないですよね?

もう今回はね この年で本当にここにいる自分が 本当に恥ずかしく、日々反省の毎日です。もう自分自身強い気持ちで誓いました。二度と刑務所には来ない。もうこれが最後だと、この気持ちを絶対に忘れません

受刑者03
孫の為にも二度と塀の中へ入らないで下さい

これから罪を犯そうとしている人もいますよね Aさんから何かありますか?

私がそういうようなことを言う立場じゃないんですけれど やはり 強い気持ちで犯罪は犯さないという 強い気持ちだけだと思います


Aさんは 懲役刑です つまり、刑務所内で仕事をする必要があります。

製品をつくったり検品をしたり、木工もありますし、Aさんが従事する漆塗りもあります。
これらは手に職をつけて、塀の外に出たあとの社会復帰を手助けするためでもあります。

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とくに伝統工芸などは 後継者不足が問題になることも多くありますので、漆塗りなどは就職に有利に働くのかもしれません。

ただし、前科者というレッテルが貼られた人物は、社会復帰が非常に難しいのも現実です。

受刑者06
先生の指導のもと 漆塗りをひとつずつ完成させていく

履歴書の空白期間について、採用者に
「この期間は何をされていたのですか?」と
間違いなく尋ねられます。

おまけに犯罪被害に遭った人からすれば
「あんなやつ社会に出てこなくていい」と思っているはずですし、
まして家族の生命を奪われたり、恐ろしい目に遭った人ならば、

「はぁ? 受刑者がカラオケ?
 単独室でテレビ? おまけに懲役刑は徒歩通勤で、きっちり8時間勤務で終了?
 ふざけてんじゃねーよ」

のように怒り心頭に発するのも、火を見るより明らかです。

犯罪被害者になったことがないため感情は想像でしか語れませんが、そこをクリアしないと再犯を防ぐというゴールには辿り着く事はできません。
アナウンサーがちょっと取材したからからと言って論じられるレベルではありませんし、「矯正」に関する研究も様々な方向・方面から進められていると聞きました。

あまりに難しく、一筋縄ではいかないテーマであることは重々承知していますが、
願うのは共通で犯罪がない社会であるということです。

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