5年目の春
こんにちは。お久しぶりです。みなさんはこの春いかがお過ごしですか?
入社5年目、サクラを秋田で見るのも5回目です。
少し長くなるのですが、秋田で過ごしたこの5年をサクラの写真と共に振り返ってみます。
2018年
名前は自分の存在に付けられた記号のようなものですが、
この季節になると、自分の名前が花のサクラと同じだということと、
両親が『サクラのように誰からも愛される存在に』と願いを込めて名付けてくれたことを改めて思い出します。
学生時代までは、サクラは卒業・入学シーズンの慌ただしい時期に咲くものでした。
実家にある、初めてランドセルを背負った小学校入学式や袴姿の大学卒業式の写真のバックには、満開のソメイヨシノが写っています。
忙しい年度替わりに、サクラを愛でる時間はそれほどなかったように記憶しています。
2018年3月26日、大学卒業を彩ってくれたソメイヨシノ。
秋田に来た4年前からは、サクラは“新しい環境に寄り添ってくれるもの”に変わりました。
入社して1か月、大型連休に、会社の同期と角館に遊びに行った時の一枚です。
2018年4月28日。年度が替わってから4週間経って、ようやくサクラを見つめる余裕が出来ました。
既に葉も見え始めていますが、東京と秋田では1か月も咲く時期が違うのだと実感しました。
2019年
2018年度は、季節の移ろい方も岐阜や東京と違うなあと感じながらも、
アナウンサー1年目の経験のさまざまな驚きに呑まれながらあっという間に過ぎていきました。
2019年4月、『ABS news every.』の天気キャスターを担当することになりました。
4月1週目の金曜日、5日の写真です。まだ風が冷たく、ダウンコートを着て取材に出ていますね。
サクラ前線はいつ県内に到来するのかと、にかほ市の勢至公園を訪ねた帰り、
秋田市八橋のサンライフあきたで、温水プールの近くにあるソメイヨシノが花開いているのを発見した時です。
寒空の下で咲く薄ピンクの花が可愛らしかったなあ。
この時は、『ここのサクラは秋田市でもちょっと早く咲き始めるんだよ』と教えていただいて出掛けました。
今では、秋田市内で早咲きのサクラがどこで咲くのか、どこのソメイヨシノが早いのかも、頭に入っています。秋田生活が長くなってきた証ですね。
2020年
そして、2020年春。
新型コロナウイルスの影響が出始めた頃です。
未知のウイルスにおびえ、人との接触を極端に避けていたこの時期。
暖かくなればサクラは咲くのに、花を愛でることすら憚られた日々でした。
この春に撮影したサクラは一枚だけ。2020年4月23日です。
一度だけ、角館に取材に行った帰りに短時間立ち寄った桧木内川堤です。
桜祭りは中止、歩く人も誰もいませんでした。
みなさんもそうだと思いますが、私にとっても、ひょっとするとサクラにとっても、人生で最も静かな季節だったかもしれません。
2021年
新型コロナが終息の兆しを見せないまま迎えた翌春。
マスク着用の新しい日常を送りながら、またサクラが咲きました。
“気持ちだけはせめて明るく”と春が気遣ってくれたのでしょうか、
去年は記録的な速さでサクラの便りが届きましたね。
2021年4月7日の秋田市・千秋公園です。夜にひっそりと散策して撮影しました。
まだ夜気の冷たい園内で、誰に見られずとも咲き誇るサクラに、それはそれは癒されました。
満開を迎えた2021年4月8日の勢至公園です。
天気キャスターになった2019年から、毎年取材に行かせていただいています。
もはや当たり前のようになった「写真撮影時のみマスクを外しています」の言葉を添えて。
2022年
早くにサクラが咲いた翌年は、開花がより待ち遠しくなりますね。
2シーズン続けて県内は大雪に見舞われたので、そのせいもあるでしょうか?
今年はほぼ平年並みのサクラ前線到来となりました。
この春は、11日の勢至公園、12日の本荘公園と、開花発表の日に取材することができました!
時間を見つけては、秋田市内も散策しています。上の写真は20日撮影、楢山の太平川沿いです。
場所によっては出店やライトアップもあり、去年より人出が増えていました。
私たちは環境が変わると違った気持ちでサクラを見上げますが、
サクラは同じ場所に立って変わらず優しく包んでくれるなあ、なんていうことも思いました。
4月も3週経って、ようやく新しい仕事に慣れてきました。
今年度から、月火の『ABS news every.』のキャスターを担当しています。
東京やほかの地域みたいに、1か月前にサクラが咲いていたら、
気持ちも落ち着かず、花をゆったりと見つめる余裕もなかったはずです。
新たな環境に慣れた頃、寄り添うように咲いてくれる秋田のサクラが好きだなと、
5年目の春、改めて感じています。