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2012年10月19日

2012年10月19日(金)

賀内です。

この週末、秋田を蒸気機関車・SLが走ります。
SLあきた路号」と言って、土曜日曜の2日間、秋田〜東能代間を走るのですが、すでに試運転が始まっていて、JR秋田支社には「汽笛が聞こえるが何か」と問い合わせがあるとか。
それは驚くでしょうねえ。
きょうの番組にも、「SLを見た」など、メールをたくさんいただきました。

私の家は奥羽線の沿線にあるのですが、家にいた時、その汽笛が聞こえてきて、いやもう、飛び上がるくらい驚きました。
今は走っていないはずのSLの汽笛。
「空耳ではないか」とあわててサンダルはいて外に出てみると、試運転のC61が黒煙を吐いて走って行きます。
気がつくと、近所の家の窓から顔を出す人、私みたいに家から飛び出してきた人、情報をキャッチしていて三脚付きのカメラを構えている人などなど、これは「SL騒動」でした。

番組にいただいたメールには、「久しぶりに秋田駅に来たら改札が二階にあった」というのもありました。
そう、今の秋田駅は1997年、秋田新幹線の開業に合わせて新装オープンしたのですが、私の世代は、その前の、1961年にできた駅舎にも思い出がたくさんあります。
一階に改札があって、二階には、いかにも昭和という感じの食堂や売店がありました。

自動改札になる前は、駅員さんがカチカチと切符にはさみを入れていました。
昔はチケットなんて言いませんでした。切符!

「昔は、切符に行先も書いてましたよねえ」と鶴岡さん。
それは「硬券」と言って、厚い紙に「秋田→大曲」なんて印刷していたのです。

「幸福行きの切符なんてありましたねえ」と、さらに深いツッコミの鶴岡さん。
それは、北海道の広尾線といって、もう廃線になった路線の「愛国」駅から「幸福」駅の切符ですね。
この切符が縁起担ぎというか、「愛の国から幸福」というブームになって、切符が爆発的に売れたことがあったのです。

私が大学生になって上京したときに驚いたのは、駅員のはさみの技でした。
ひっきりなしに改札を通る乗客の硬券に、目にも止まらぬ早業で、カチカチカチカチとはさみを入れていくのです。
さらに上級テクニックがあって、それは、改札中の(正確には『入鋏〜にゅうきょう』と言いますが←マニア)駅員のうしろを通過しようとすると、はさみを背中に回して後方の切符に正確に切るのです。
まるで、時代劇の剣豪を見るような気持ちになります。あるいはゴルゴ13の射撃。

私は、そのはさみさばきを見たいという、ただそれだけの理由で、駅でわざと駅員の後方に回り込んで切符を出し、「カチ」という正確無比の一撃に感嘆しつつ、山手線の電車に乗ったのでした。

SLが走る10月21日は、秋田駅の110歳の誕生日です。
SLの思い出、駅の思い出...さまざまな思い出が交錯するでしょうね。
私の思い出は、改札の名人芸という、実にたわいのない思い出ですが...

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