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2010年11月12日

2010年11月12日(金)

賀内です。

「有楽町で逢いましょう」「いつでも夢を」など、昭和歌謡の大御所、吉田正さんにまつわる特集をお送りしました。

吉田さんは戦後シベリアに抑留され、強制収容所での生活を経験しましたが、そんな過酷な条件下でも、吉田さんの創作は続き、故国への想いがこもった歌が生まれました。しかし、歌詞や曲を書いた紙を持って帰国すればスパイ容疑がかかってしまうことから、歌を覚えて伝えていくしかなかったのです。
八郎潟町に住む北嶋鉄之助さん(85)も、その歌を覚えている一人でした。60年以上も前の歌ですが、取材のマイクを前にして北嶋さんは記憶も確かに朗々と歌い、心に深く刻まれていることが伝わりました。

そのうちの1曲「涙なんぞは」は、ロシアの夕焼けを冒頭で歌い、つらい収容所暮らしの中でも「友よ行こうよスクラム組んで」と前向きに生きていこうという歌詞ですが、私が思うに、メロディもまた秀逸でした。
ちょっと専門的な話になりますけれども、この歌、前半はもの哀しい短調で始まり、後半は一転、希望を感じさせる明るい長調で締めくくるという構成です。
シベリア抑留という逆境にあっても自分を見失わず、高度な作曲技法を駆使して、歌詞を生かしたメロディ作りをするという、吉田さんの矜持というか、作曲家の職人魂に触れる思いがします。生涯2400以上の曲を作ったメロディメーカー・吉田正の、面目躍如です。

さて、きょうスタジオ見学に訪れたのは、秋田市立勝平中学校のみなさん
Kディレクターが脇について、生まれて初めて、ディレクターの仕事を体験しました。
スタジオの私たちに「次はCMです」「曲いってください」と指示を出しながら、CDやCMの操作をします。
なかなか筋がよかったよ。

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