ABS秋田放送

2018年02月4日

救急救命士と纏

ABS news every.取材記 2018.1.17(水)取材/2018.1.19(金)放送

江戸小物細工作家の渡部 顕(わたなべあきら)さん
精巧な作品を作っています。


まとい工房南天での作業風景

専門は「纏」。 まといと読みます。

纏というのは、江戸の町火消(まちびけし)が使っていた
目印のようです。詳しくは東京消防庁のページを参照してね。

1月末まで秋田の和風家屋のミニチュアとともに
北都銀行の山王支店のロビーに飾られていました。

製作者は秋田市消防本部に勤めていた元救急救命士の
渡部 顕さんです。

消防関係者には退職の記念などで纏の模型を贈ることが
わりとあるそうなんですが、かつての贈答品は
渡部さん曰く「工作のクオリティ」だったそうです。

せっかく退職者に贈る物なら、
もっと「しっかりしたものを作ってあげよう、いや私が作ろう」
と考え、在職中から纏のミニチュアを自作していました。
プラモデル好きだった渡部さんにとっては、
細かいものを作るという行為が朝飯前。

その出来栄えは 常人では真似できないほどの精巧さで
以前からハイクオリティだったんですね。
ただ、2015年体調を崩して50歳で早期退職したのを
きっかけに本格的に纏作りを始め、
同時に浅草の玩具の老舗「助六」に売り込みました。
幾度もの修正を経て「売れる物」として採用され
そして自宅に「まとい工房南天」を開設したそうです。
プロフィールなどは、工房のWEBに細かく書かれています。


カメラは高橋勤くん 秋田の炭焼きを撮影した映像で
先日、東北写真記者協会賞の金賞を受賞しました

浅草では外国人観光客に纏も家屋も人気だそうですね。
日本人らしい緻密さというか、精密なものといったら
世界でもスイスか日本ですから…
なぜ「秋田」に江戸小物細工の纏職人がいるんだ??
と疑問を持たれた方、こういう経緯だったのです。

この辺はテレビだと長々と説明できないため簡略化しますが、
わりとしっかり書くとこんな感じになります。

その後、纏作りが順調に進んでから
「助六」から「こんなもの作れますか?」という発注を
受けます。それがミニチュア家屋でした。


すんごい作品の数々 高さ15cm 奥行き14cm 幅20cmサイズの
ケースに入る精巧な作品で、販売しています。

渡部さんは、バリバリの職人さんかと思いきや、
結構なデジタル機器の使い手であり、図柄や書体などは
パソコンも駆使しながら製作しています。

特に感じたのは、救急救命士や消防士という規律ある仕事は
ひとつひとつのことがいい加減では職務を全うできません。
手順、マニュアル、規則 ルール、さまざまなことに則った上で、
現場での状況に対応していくことが求められる仕事です。
整頓された工具や材料、参考にする資料・書籍、仕事の風景を工房で拝見したところ
田村が爪の垢を煎じて飲まなければならないくらい、きちんとされていました。

かつての仕事が性格に表れているのか、元来の性分なのか分かりませんが、
本当にきちんとされた職人さんであり、あっかるーい方で
ABSラジオもよく聴かれている職人さんでいらっしゃいました。感謝申し上げます。

話を聞くと
「工房を造ってから全然休みがない(笑)
 あさ4時5時には起きて晩酌の直前まで毎日12時間仕事をしている。
 けれども心地良い緊張感で作っているので全く負担ではありません。
 神経すり減らすどころか神経が厚くなってるかもしれないですね」
とのこと。

体調が優れない事も最近は無さそうで、纏持ち同様
ますます精巧な作業に力が入りそうです。


左は現在の渡部さん 右は2012年1月に
ABS news every.で取材したときの救急救命士時代の渡部さん
どっちもかっこいいですね めちゃめちゃ明るい方でした

纏で思い出されるのは「吉宗評判記 暴れん坊将軍」です。
め組の頭の「辰五郎」を、若き日の北島三郎さんが演じていました。
これも個人差があるでしょうが、田村はシリーズ1が大好きです。
超絶美人のお庭番「おその」(夏樹陽子)
「ただすけ」と呼ばれる大岡忠相(横内正)
そして「じい」と呼ばれる御側御用取次(故 有島一郎)の
キャスティングは最高でした。再放送も何回見たことでしょう。


お休み無しのリアルおじいちゃん
きょうも纏ちゃんのために纏作りに精を出しています

杉良太郎さんの「遠山の金さん」
大川橋蔵さんの「銭型平次」と並んで
意外なところで初代暴れん坊将軍は 心に深く深く刻み込まれています。
「炎の男」は名曲です。

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