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2013年11月11日

ピアニスト・佐藤卓史さん

いつもより早い初雪が降る中、スタジオにいらしていただいたゲストは、秋田出身のピアニスト・佐藤卓史さんでした。

4歳でピアノを始め、東京芸大を首席で卒業、7年間のヨーロッパ留学を終えてこの夏帰国、ふるさと秋田のアトリオンでコンサートを開いたその翌日、東京に戻る直前に、スタジオに寄っていただき、お話を伺いました。

子どもの頃、練習に励んだかどうか聞くと「練習は嫌でした(笑)」とサラリ。
でも、天性のものがあったのと、やはり練習も積み重ねてのことでしょう、十代で音楽界の注目を浴びるようになりました。
自炊もしながら暮らした留学、ウイーンは音楽の都で、ベートーベンの歩いた散歩道を、自分も歩いてみたとのこと。
佐藤さんはベートーベンを好んで演奏します。秋田でのコンサートも、「月光」など、オール・ベートーベン・プログラムでした。
その佐藤さんが、今度はシューベルトを集中的に取り上げていきたい、という希望を語ってくれました。
「ベートーベンは『強い人』だと思うんです。でもシューベルトは、人間の弱さ、優しさが感じられます。そういうシューベルトを弾いていきたい」

佐藤さんは話し方が明晰で、思うこと、考えていることがまっすぐに伝わってきます。
ベートーベンは「楽聖」と言われ、耳が不自由になっても作曲を続けたエピソードが残されていますが、シューベルトは、交響曲が未完成に終わったり(でもその曲がまた有名にもなったのですが)、作風もまた異なります。それを「強さと優しさ」で対比させている佐藤さんの感性。どんな演奏になっていくでしょうか。
そのシューベルトを、佐藤さんは、長い月日をかけて、順々にステージにかけていくとのこと。

もう一つ、佐藤さんが熱をこめて話していたのは、アトリオンのこと。
ふるさと秋田で、十代の頃にステージに上がったのもそうですし、留学後のコンサートもアトリオンでした。
寄せる思いは、格別のようです。

いつの日か、アトリオンで、佐藤さんが弾くシューベルトを聞いてみたいものです。

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