人々の日々の営みや自然のさまから生まれ、
唄い紡がれてきた民の唄=民謡。
秋田はこれまで1000もの唄を生んだ
民謡の宝庫だ。
しかし昭和の民謡大ブームが去るや
愛好者は激減。
多くの客でにぎわった
民謡酒場も次々に姿を消し、
残された看板だけが往時を物語っている。
新型コロナが追い打ちをかけた
民の旋律はいまや風前の灯だ。
激戦地占守島で終戦を迎え、
その後のシベリア抑留を生き延び
戦後昭和民謡ブームの旗頭になった
伝説の尺八奏者がいる。
氷点下50度にも達する極寒のシベリアで
自らの尺八の音を生きる灯にした男の名前は
藤丸貞蔵。
終戦からさらに1000日続いた抑留生活で
凍て割れた尺八を貞蔵が
手放さなかった理由とは?
横手市出身の
シンガーソングライター・高橋優が
貞蔵の人生と戦火の音楽とを追う。
藤丸 貞蔵(雅号・東風1923-2014)
- 1923年
- 由利郡玉米村(現由利本荘市東由利)に生まれる
- 1939年
- 16歳で単身上京 尺八の大家・吉田晴風の弟子となる
- 1944年
- 応召 千島列島の北端に派兵される
- 1945年
- 終戦後、ソ連軍の捕虜になりシベリアに抑留される
- 1948年
- 1000日の抑留生活終え京都・舞鶴港へ復員
- 2000年
- 日本民謡協会 名人位