海開き前の海水浴場で離岸流の調査 付近では去年中学生5人が沖に流される事案も 海水浴は監視員がいる時に複数人で 秋田・潟上市

この記事をシェア

  • LINE
秋田 2025.07.04 18:09

本格的な海水浴シーズンを前に人が沖へ流される原因と考えられている潮の動き、「離岸流」の調査が潟上市の海水浴場で行われました。

海水浴を安全に楽しむためにも海に潜む危険を理解し、落ち着いて行動することが重要です。

来週水曜日に海開きをする潟上市の出戸浜海水浴場です。

海水浴場の近くでは去年、海で遊んでいた中学生5人が沖に流されて岸に戻れなくなり、警察に救助されました。

同じような事故を防ごうと、秋田海上保安部は水難事故に詳しい新潟県の大学の研究者と共同で潮の流れを調査しました。

岸に戻れなくなる原因と考えられているのが、沖へ向かう潮の動き、離岸流です。

岸に打ち寄せた波が沖に戻ろうとすることで発生し、幅は10メートルから30メートルに及びます。

目には見えない離岸流の発生状況を分かりやすくするため、4日は特殊な着色料を使って調査が行われました。

長岡技術科学大学 犬飼直之准教授
「押される波引かれる波交互に来てまして、これが平均すると沖の方に出ていくんですけども、水の中に入ってる感じではあんまり顕著には感じることはできません、これが離岸流の怖い所で」

4日の波の高さはおよそ0.4メートル。

この条件だとおよそ20分で50メートルほど離れた範囲まで流される可能性があることが分かりました。

犬飼直之 准教授
「波があればどこでも発生します。 海水浴場の中でも発生しますので、だったらこの場所で発生するとあとは波が高くなれば強くなりますので波が高い時には入らないとかそういう安全対処を徹底すれば 事故は起きないので」

県内では遊泳中におぼれて亡くなる人が後を絶ちません。

万が一に備え、監視員がいる海開きの期間に遊泳することや、複数人で行動することが命を守ることに繋がります。

秋田海上保安部交通課 三澤守課長
「戻ってこれなくなった時に、やはりあのパニックになってしまうと思います。そういった時に落ち着いて呼吸を確保してさらに可能であれば、助けてという片手で大きく呼び掛ける、おぼれてますよ助けて下さいっていう注意をまわりに知らせるっていうのが非常に重要になってまいります」

県内はこれから本格的な海水浴シーズンを迎えます。

海のレジャーを安全に楽しむためにも、そこに潜む危険を理解し、落ち着いて行動することが重要です。