新事実も明らかに 風車の羽根落下事故 原因は?今後の安全対策は?

この記事をシェア

  • LINE
秋田 2025.05.09 18:08

原因究明に向けた調査が進められる中、当時の状況が少しずつ明らかになっています。

柴田光太郎アナウンサー
「手前の日本海に面した秋田新屋にある風車です」
「風車に残った部品も今すぐ落ちそうな様子です」

今月2日、秋田市新屋にある風車から羽根が落下する瞬間を捉えた映像。

警察などによりますと、羽根の一部は、風車の支柱から80メートルほど離れたところに落下し、近くにいた男性が死亡しました。

風車の管理を委託されていた会社によりますと、事故の当日に、自動停止装置が大きな振動を感知していたことが新たに分かりました。

風車を設置した東京のさくら風力は、「風車の耐久年数は20年で、これまでの定期的な点検で異常は見られず、稼働停止するような重大なエラーも起こっていない」と説明しています。

さくら風力 盛高健太郎 社長
「早く復旧させていきたいということは決して言えるものではないと思っておりますので、まずはみなさんにこのエリアで安心して過ごしていただける体制を作ったうえで、事故原因をしっかり究明したうえで、事業継続させていただけるのかやめるべきなのか、しっかりと判断していきたいと考えております」

事故が起きた日、秋田市では、23メートルの最大瞬間風速を観測していました。

風力発電に詳しい九州大学の内田孝紀教授は「風力発電の風車にとっては決して強い風ではない。過去に落雷などで羽根がダメージを受けていたのではないか」と指摘します。

県内には、現在、陸上と洋上合わせて340基の風車が設置されています。

設置場所について、国は、各自治体のガイドラインを踏まえたうえで、周囲の環境に影響を及ぼさないことや、住民がむやみに近づかないよう柵などで囲うといった条件を示すに留まっています。

事故を受け、県は、設置場所や管理基準を見直すよう国に要望することにしています。

また、ほかにも同じように住民が近くまでいける風車が数多くあるとして、県内の設置状況の確認を進める方針です。