サクランボの産地で収穫が最盛期 出勤前の市職員も収穫 農家の人手不足解消を目的に1次産業の副業を解禁 湯沢市
秋田県内有数のサクランボの産地・湯沢市の三関地区では、晩生の品種の摘み取りも始まり、収穫が最盛期を迎えています。
機械化が難しく、人手が頼りとなる、サクランボの収穫。
連日、作業に追われる農家の人手不足を補おうと、湯沢市の職員が副業制度を活用し、出勤前に収穫を手伝っています。
真っ赤に実ったサクランボの収穫が最盛期を迎えている、湯沢市の三関地区です。
83アールで約220本のサクランボを栽培する農家の水戸義昭さんは、20人ほどのスタッフと共に、連日、収穫作業に追われています。
その年の天候に大きく左右される、サクランボの作柄。
水戸農園 水戸義昭さん
「(実の)なり方が少なかったので、一気に養分が流れます。そのための熟期が進んでしまう。柔らかさの程度もあるんだけど、ちょっと柔らかいのと、全然柔らかすぎるやつ、そのあたりの選別を。どうしても輸送に向かなくなってしまうので」
今年は天候不順で受粉が進まず、実の数が少ないことに加え、先週、気温が30度を超える真夏日が続き、サクランボの成熟が一気に進んだことで、収穫が追い付かず、傷みだした実も少なくないといいます。
そんな水戸さんのサクランボ園に、早朝午前5時、2人の男性が訪れました。
「丁寧に優しく収穫の方をしていただきたいと思います。高いところにも上がったりするので、気をつけて、2時間ですけれども、7時まで何とかよろしくお願いします。よろしくお願いします。何か分からないことがあったら聞いてください」
出勤前の湯沢市職員です。
公務員は原則として副業が禁じられていますが、湯沢市は、おととしから、人手の確保が課題となっている1次産業などに限って、職員の副業を可能にする制度を始めています。
27日朝は、税務課と農林課の職員2人が、午前5時から7時までの2時間、収穫作業に汗を流しました。
主力品種の佐藤錦に加え、26日からは晩生の品種、紅秀峰の摘み取りも始まった、三関地区のサクランボ。
湯沢市 農林課 高橋秀彰さん
「生産現場を知ることで、今後の業務に生かせると思って、そういう形の中で応募しました。気持ちいいですね。朝活みたいな形で、生活リズムが整いますし」
湯沢市 税務課 佐藤楓真さん
「人手不足だと思いますし、最近暑さもすごいですし、暑くなってくると作業がしづらいらしいので。サポートしていくっていうことで、水戸さんの助けになっていけばいいなというふうに思っています」
水戸農園 水戸義昭さん
「出荷が始まれば、あとは終わるまで連日我慢して収穫するっていうことだと思うんだけど、湯沢市の職員の方の応援っていうのはすごく助かっています。ありがたいと思っています」
天候に大きく左右されるサクランボの生産現場を支える、副業の市の職員。
今年は、職員32人が、来月中旬ごろまで副業制度を活用して、サクランボの収穫や選別作業にあたるということです。