北秋田市の寺で年に一度の法要 戦没者などの名前を一人ひとり読み上げる 日本海中部地震で亡くなった児童にも祈り
北秋田市の寺で年に一度の法要が営まれ、戦後80年の節目を前に、戦没者などを悼みました。
また、この寺は、日本海中部地震で亡くなった旧合川南小学校の児童やその家族の菩提寺でもあることから、24日は、遺族も訪れて、共に祈りを捧げました。
北秋田市鎌沢にある正法では、毎年6月24日に、年に一度の法要が営まれます。
24日は、地域住民を中心に約50人が集まりました。
正法院の「鎌沢の大仏」は、高さが4.8メートルあり、建立から今年で280年を迎えます。
出兵前にお参りすると銃弾に当たらないと言われたことから、戦時中、「弾除け地蔵」とも呼ばれ、時代を超えて信仰の対象になってきました。
本堂では、この地域の戦死病没者112名と、日本海中部地震で亡くなった旧合川南小学校の児童13名の名前を一人ひとり読み上げ、祈りが捧げられました。
福岡史恵さん
「長年来ていますけれども、家で供養するよりも、皆さんとこうしてここで供養してもらえれば、亡くなった娘の表情もなんとなく違っていて、(位牌堂の)13人が並んだ写真をみると、友達同士でそこにいればいいなと思いまして、全然表情が変わるので、毎年、毎月行きたくなります。できることであればずっと供養していきたいし、きょう家に帰って、きょう供養してきたことを改めて伝えたい」
清水道広 住職
「亡くなった方のお名前をお一人おひとり読み上げる、その時間その瞬間そこに刻まれます。これが数十年間ずっと刻まれ続け、これから先も刻み続けていく。その方の存在が今もそこに刻まれる、そのような思いでお名前を大切に読み上げています」
「これから先、戦後やがて90年100年という風にいわれる時代がやってきますけども、今と変わらず、毎日勤めて、年に一回このようにお勤めをつづけて参りたいと思っております」
終戦から間もなく80年。
そして、日本海中部地震からは42年が過ぎました。
正法院では、これからも亡くなった人の冥福と地域の平和を、祈り続けます。