鳥海ダムの建設現場が報道機関に公開 昨年度末で工事の進捗は約30% 体験型の施設もオープン 秋田・由利本荘市
大雨による被害を減らす役割を担う施設の1つがダムです。
由利本荘市で工事が進む鳥海ダムの建設現場が、3日報道機関に公開されました。
鳥海ダムについて知ることができる体験型の施設もオープンしています。
去年8月から本格的な工事が進められている由利本荘市の鳥海ダム。
3日は報道機関向けに、建設現場が公開されました。
鳥海ダム工事事務所 佐藤秀樹副所長
「子吉川沿線の洪水被害の軽減、流水の正常な機能の維持、由利本荘市への水道用水の供給、あと発電、4つの目的を持ったダムとなってございます」
3日は火薬を使って斜面を砕きダムの土台を整える作業のほか、新しい道路を作る工事などが進められていました。
子吉川の上流に建設されている鳥海ダム。
湛水面積=水がいっぱいに溜まった時の水面の広さは3.1平方キロメートル、東京ドームおよそ66個分です。
総事業費は約1,990億円。
昨年度末時点で工事の進捗は約30パーセントです。
鳥海ダムJV工事事務所 岩川真一さん
「水がたまるところは、どこまでたまるんですかっていうところが、左側に赤と白の看板あるの見えますかね、あれが最大の水位と言われている水がたまるところの部分です」
ダムが完成すると、画面左側の上流部分に水が溜まることになります。
今、県内で見られるのはここだけという貴重な車両も使われています。
55トンのダンプは、一度に36トン余りの土砂を運ぶことができます。
外側には由利本荘市の公認キャラクター、ゆりほん娘の装飾が。
「固い」と思われがちな建設業界やダム工事を身近に感じてもらいたい考えです。
鳥海ダムJV工事事務所 岩川真一さん
「少しでも皆さんに親しまれればそれがいいかなと思います」
カメラマン
「現場の空気ってどうなります」
岩川さん
「現場の空気ですか?これが来たら一段変わりましたよ」
カメラマン
「どう変わりました」
岩川さん
「作業員さんがなんだなんだって言って、これ見た瞬間に足場が取れた瞬間に、オーっていうふうに、ちょっとやっぱり少し笑顔が見られました」
さらに、ダムの近くには入場無料の体験型見学施設も。
こちらのコーナーでは、ストーリー仕立てでゆりほん娘と一緒に鳥海ダムについて学びながらダム建設の過程を見守ることができます。
「これからダムの工事が進んでいくにつれてまだ何年もかかるんですけども、その間で少しずつストーリーが進んでいくというようなドラマのような形で広報しながら、ダムのですね建設について完成するまでの間、継続的にですね、みなさんに興味を持ってもらえるような仕掛けを行っていこうというような形になっております」
地域の人に、鳥海ダムについて理解してもらい、興味を持ってもらえるよう、今後さらに見学の機会なども設けていくことにしています。
鳥海ダム工事事務所 佐藤秀樹副所長
「昨年も出水あって、今年も各地で豪雨被害あるので、1日も早くダムを完成させて安全安心な暮らしができるようにっていう思いで作ってございます」
「景勝地として鳥海山や法体の滝もありますので、ぜひですねそちらに行く途中に鳥海ダムへ立ち寄っていただいて、自然の中にこういう下流地域を守る施設があるんだよというのをぜひ見学していただきたいと思っております」
高さ81メートル、長さ約380メートルの鳥海ダムの完成は、2032年度を予定しています。
子吉川流域の洪水被害を減らす施設として期待されています。