【参院選 2025】公示まで1週間 秋田県選挙区に立候補予定の4人の訴えは?

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秋田 2025.06.26 18:08

この先の6年間、参議院議員として活動する1人を選ぶ秋田県選挙区には、これまでのところ、4人が立候補を予定しています。

自民 元 中泉松司 氏

中泉松司 氏
「消費者の皆さんも、日本の主食であるコメを安心した価格で手に取ることができる、そういった環境を作らなければいけないと思います。今、小泉農林大臣が備蓄米を5キロ2,000円(台)で並べるということを一生懸命やっています。私が29歳、彼が27歳の時から出会って、もう20年近く仲間ですので、頑張ってほしいなと思います」

旧69市町村で、自身の政策や有権者の声を聞く対話集会を開いてきた、自民党の元参議院議員・中泉松司氏。

取材した日は、日本のモデル農村として干拓され、特にコメ作りが盛んな大潟村を訪れました。

小泉農林水産大臣の就任以降、目まぐるしく変わるコメ政策。

質疑で最初にマイクを握ったのは、JA大潟村の小林肇組合長でした。

JA大潟村 小林肇 組合長
「どんどん米価が高騰する。それを抑えようとして、今(小泉)大臣が一生懸命備蓄米を出している。さらには、輸入米を視野に入れるというような発言もありました」
「生産者側と消費者側が一緒になって、安心して食料を供給・消費し続けられるような政策、安心できるような政策、こういったものをしっかり出していくということが、やはり与党には求められること」

中泉 氏
「率直に言って、小泉大臣がきちんとすべてを理解しているのかなと考えた時に、やっぱりちょっとクエスチョンが付く部分がたまに見受けられます」
「生産現場をないがしろにするようであれば、私さっき申し上げたように、20代の頃からの盟友だと思っていますけども、現場の声を無視するようであれば、体を張って、ケンカをしてでも止めるのも盟友の仕事だと思いますので」

現職として臨み、涙をのんだ参院選から6年。

この間、秋田県の人口は、9万人近く減少しました。

農家
「今、農業が一番(立場が)下だからな。それをなんとかしてもらわないと」
中泉 氏
「頑張ります」
農家
「なんとか頼む。しゃべればきりがない!」

一票の格差問題から、大都市の国会議員の数が増え、地方の課題や声が国政の場に届きにくくなっているのではないかと、中泉氏は危機感を感じています。

中泉 氏
「より地方の声というのをしっかり届けるという意識をしないと、本当に地方の声が届かなくなって、都会の思いだけで国の議論が進められてしまうということになりかねない」

公示日が迫る中、25日に開かれた、能代市での決起集会。

中泉 氏
「秋田県の様々な課題を考えた時に、パイプ役としての役割をやってほしい。もう一つ農政に通じている、農業現場に出てきた、そういった経験をいかして、日本の農政を前に進めてほしい、道筋をつけてほしい、そういった理由から応援をいただけること」

鈴木知事が中泉氏を応援すると明らかにしたあと、演説では、県の課題解決に連携して取り組む姿勢を全面に押し出しています。

中泉 氏
「新県政が進むべき方向に、政策的にも予算的にも応援をしていく。国のレベルでもそういったことを進めていく」
「みなさんがいてくれたおかげで、ここまで歩みを進めていくことができました。もう一度、ふるさと秋田のために働きたいです。もう一度、みなさんのお力を借りて、ふるさとのために働かせてください」

『秋田の声を形にする』。

自民党への逆風が吹く中、中泉氏は、政策実行力と、鈴木県政との連携を訴えて、支持を広めていく方針です。

無 現 寺田静 氏

国会議事堂のすぐそばにある、参議院議員会館。

この日、障害のある子どもを育てている保護者団体の代表が、現職で無所属の寺田静氏を訪ねてきました。

寺田静 氏
「どうしたら、保護者の負担を軽減できるかって視点がないんだなっていうのは、改めて課題として受け取って(秋田から)帰って来たところで」

障害者への支援にも力を注ぐ寺田氏。

取材した日は、特別支援学校などを卒業すると、放課後等デイサービスの利用ができなくなり、保護者の負担が増す、いわゆる18歳の壁について話し合いました。

障害がある娘を育てる 工藤さほさん
「18歳、特別支援学校高等部を卒業すると、本当にどうにもならない今の日本の制度、なかなか厳しい状況になっていまして」

寺田 氏
「対象は少ないんですけど、すごく困っている方のところに注力をしてやっていきたいと思ってるので、やっぱりそう、かつて我が家も結構そういう感じだったからというのもあって」

病気で亡くなった弟を家族で介護した経験も、国会議員を志した理由の一つです。

約6年の任期中、国政への要望や意見である「請願」が寺田氏を通して数多く参議院に提出されています。

秋田ならではの要望も少なくありません。

寺田 氏
「中長期のことも、大事なことに関しては、しっかり考えていくという時間を与えられているというふうに思っていますので、そういう意味でも、参議院議員としては、そういうところにも注力をしなければいけないと思って取り組んできました」

横手市で生まれ育った、寺田氏。

県内すべての市町村で集会を開いて、介護の現場で働く人たちの待遇改善や、学校に通うことができない子どもたちの学びの場の拡充を訴えています。

取材した日は、自らの体験についても語りました。

寺田 氏
「昨年他界をしました、(横手市)増田の祖母からずっとこんなことを言われて育ってきました。勉強をしろと、いい学校に入れと、いい会社に入れと、そしてある程度の年齢になると、今度は、もう仕事なんていいから早くいい人を見つけて結婚をしろと、結婚をすると今度は子どもはまだかと、1人生まれても、2人目はまだかと、ひとりっこなんてかわいそうだと」
「子どもを持ちたいと思う方が増えていく社会にするには、少子化対策という看板を掲げるのではなくて、今いる一人ひとりの子どもたち、また、その親たちが幸せを感じられるような家族のための政策を、ひとつひとつ、丁寧に実現をしていく必要があると考えています」

寺田氏は、国の重要な政策を決定する場に女性が少なすぎると感じています。

寺田 氏
「県内で唯一の女性(国会)議員ということですので、生活実感、生活の中で生じる様々な困難をひとつひとつ丁寧に解決をしていきたいということを懸命に訴えていきたいと思っております」

誰もが安心して暮らせる社会の実現のため、2期目を目指す寺田氏は、今月末まで各地で集会を開き、自身の考えを広めていくことにしています。

参政 新 佐藤美和子 氏

佐藤美和子 氏
「あー、荷物いっぱいですねー。参政党で子育て支援とかも…良かったら…あ、いいですか?どうもありがとうございます!」
「バイバーイ」
佐藤 氏
「バイバイーかわいいねー」

子どもや母親との接し方には、慣れていますが。

佐藤 氏
「みなさん、こんにちは!あ、スイッチ入ってない?」

街頭でのスピーチには、まだ慣れません。

佐藤 氏
「みなさんこっちに向かっていらっしゃると、ちゃんとしゃべらなきゃいけないよね…って緊張は出てきてしまいましたぁ」

今月に入り、街頭で直接、政策を訴える活動に力を入れ始めた、参政党の佐藤美和子氏。

小学校の教員経験は30年以上ありますが、政治経験はありません。

佐藤 氏
「確かに私には政治経験もありませんし、法律も分かりません。それから海外の要人とか政府の要人とか、そういう人たちとも全くつながりがないです。参政党はおまけにそんなに資金もないです。ですけども、私たちには命をかけてでもこの日本を守りたいという、そういう熱い思いがあります、気概があります。ほかの既存政党どうでしょうか?そこあるでしょうか?それがなかったら、ほかのどんなことがあっても、この国民守れなくないですか!?」

東京都議会議員選挙で、初めての議席を獲得した参政党。

大都市圏では支持を広げつつある党の政策を、県内でも浸透させたい考えです。

佐藤 氏
「参政党は日本の国益っていうものを大事にする。海外にお金が流れないようにしていく。グローバリズムに抗うということですね」
「減税と積極財政でやっていきます。今、消費税10%で、物価高、皆さんの、私の生活を苦しめていると思います」

党の存在を広めるための努力を惜しまない佐藤氏は、その装いにも抜かりがありません。

記者
「勝負服?」
佐藤 氏
「そうですそうです!見つけちゃったんで、見つけてしまったんで買いました、ズボン。参政党カラーだと思って」
記者
「最近買った?」
佐藤 氏
「最近です!そうです!目立ちますか?目立ちますよね!?それ良かったですー、ちょっと恥ずかしいんですけどね」

秋田を意識した政策としては、農家など一次産業に携わる人への補償の充実を掲げるほか、元教員としての経験から、多様な学びの場をつくる必要性も訴えている佐藤氏。

そうした訴えや街頭での活動を目にしたり耳を傾けたりする人を、さらに増やしていきたい考えです。

佐藤 氏
「『ハッ』という単語とか入ると振り向いてくださって、うなずいてくださる方もたくさんいらっしゃいましたので。今まで疑問だったことが街頭演説でクリアになったりとか…ということで、そこで自分たちの意思で生活、政治を変えていこうというふうに思ってもらえたらいいなと思います」

決して人数は多くないものの、日増しに結束力が高まっているという陣営スタッフとともに選挙戦に臨む佐藤氏は、今後、街頭ではもちろん、集会なども開いて、政策の浸透を図ります。

N党 新 本田幸久 氏

また、3年前の前回参院選に続き、NHK党から、埼玉県川越市在住の本田幸久氏が出馬する意向を明らかにしています。

参議院選挙は、来月3日に公示され、投票日は、3連休中日の来月20日日曜日です。

公示の翌日には期日前投票も始まります。