携帯型扇風機のリスク 消防本部が実験を公開! 夏の火災の注意点は? 秋田
携帯型扇風機についてお伝えします。
街を歩いていると、扇風機を片手に歩いている人の姿をよく見かけるようになりましたね。
夏には欠かせない!という方もいらっしゃるかもしれませんが、扱い方や保管方法によっては、危険な状況も起こるんです。
携帯型扇風機を高い温度の環境で放置した場合、どのようなことが起きるかを実験した映像です。
煙が出はじめてからわずか数秒で、扇風機が爆発し、炎上しました。
火が出る原因になったのは、多くの電化製品に使われるようになった、リチウムイオン電池です。
安全に使うためのポイントや、夏場に注意すべき火災とは?
■携帯型扇風機に熱が加わると… リチウム電池のリスク
主に秋田市の南部を管轄する秋田南消防署の敷地内には、頑丈なコンクリートでできた、建物があります。
その建物の最上階にあるのは、様々なものの燃え方を調べる実験を行うための部屋です。
秋田市消防本部は先週、報道機関を対象に、ある実験を公開。
職員
「夏場の車内は高温になりますので、ダッシュボードに置き忘れたと。熱加えてどのようになっていくか実験してみたいと思います」
炭火の上に置かれたのは、携帯型扇風機です。
職員が温度を確かめながら待つこと約2分半。
職員「はい、2分30秒経過」
(・・・羽根だけ燃焼・・・)
職員「先に扇風機燃えました…」
扇風機の羽根の部分から発火。
しかしこれは、製品に、直接火がつき燃え上がった結果でした。
故意に火をつけない限り、日常生活では起こりにくい状況です。
ただ、別の製品で改めて行った実験では、日常生活でも起こりかねないこと、そして、危険性もはらんでいることが示されました。
熱が直接当たっていない側の温度は、一時100度まで上昇。
その後しばらく90度前後で推移し、94度を計測した、加熱17分後。
職員「表面94(度)」「煙が出てきました」
もくもくと煙が出てきた、次の瞬間・・・!
加熱された扇風機からわずかに煙が噴き出た直後。
大きな爆発が発生し、扇風機が、一瞬で炎に包まれました。
直接火がついて燃えた時と全く異なる燃え方を引き起こしたのは、扇風機に内蔵されている、リチウムイオン電池です。
充電して繰り返し使える電気製品に多く使われていて、身近なところでは、スマートフォンやタブレット、それにモバイルバッテリー、ワイヤレスイヤホンや、電動アシスト自転車のバッテリーにも使われています。
秋田市内では、2014年から先月までに、リチウムイオン電池が原因となった火災が12件発生し、やけどや煙を吸うなどして、3人が軽いけがをしています。
■火災につながらないように注意すべきことは?
火災につながらないよう、特に注意すべきポイントは、大きく2つ。
秋田市消防本部・予防課大塚豪課長
「使用にあたっては車内など高温となる場所に放置しないだとか、あるいは強い衝撃を与えないようにご注意いただきたい」
高温になる可能性がある場所に放置することは、危険!
特に車のダッシュボードは、夏の時季には80度近くまで上がる可能性があります。
製品に強い衝撃が加わることも、危険です。
強い衝撃のほか、強い圧力もかけてはいけません。
例えばモバイルバッテリーに、強い衝撃や強い圧力が加わるとどのようなことが起きるのか。
秋田市消防本部は、その実験の様子も公開しています。
万力で挟まれて圧力が加わったあと、釘を刺されたモバイルバッテリーは・・・・
職員「2分経過、2分!」「91(度)…きました!」(煙噴き出す)
大量の煙が噴き出し、製品の内部は焼け焦げました。
煙は、製品の様々な場所から1分半以上にわたって噴き出し続けていました。
日常生活の中で、実験と同じような圧力や衝撃が加わることは考えにくいものの、一般のゴミに交じって処理されてしまった場合、起こり得る状況かもしれません。
秋田市消防本部・予防課大塚豪課長
「リチウムイオン電池を含む製品の廃棄に伴う火災も増加傾向にあります。廃棄する際は市の回収ごみに出さずに家電量販店などの回収協力店にご持参いただきたいと思います」
秋田市消防本部はこのほか、湿気を含んだほこりが電源プラグとコンセントの間にたまることで起こる火災が夏場に多いことから、電源がある場所の定期的な清掃も呼びかけています。
暖房器具を使うことが少ない夏場でも、身近なもの、身近な場所をきっかけに、火災は起こり得るという心構えを持つ必要があります。