霧と風で見通しが悪い中…登山道で男性がクマに襲われけが 秋田県内で今年初の被害 山に入る際の注意点は?
18日、八幡平の登山道で、男性がクマに襲われ、頭などにけがをしました。
今年、県内で人がクマに襲われてけがをしたのは、今回が初めてです。
天候が悪い時は、クマと至近距離でばったり遭遇する可能性があるとして、県が注意を呼びかけています。
見通しのきかない霧と、吹き荒れる風。
18日に撮影した、鹿角市と仙北市にまたがる八幡平の様子です。
18日午前8時ごろ、能代市に住む48歳の男性が、1人で登山中に、親子とみられるクマ2頭に襲われました。
現場は、後生掛温泉近くから八幡平の頂上へ向かう登山道を歩き始めてから約1時間半の地点だということです。
男性は、顔の左側や左脚をかまれ、けがをしましたが、自力で下山していて、命に別条はありません。
当時、現場は風が強く、吹き霧の影響で、見通しも悪い状況でした。
警察によりますと、男性は鈴など音のなるものを持っておらず、クマが近づいたことに気づかないまま、至近距離でばったり遭遇し、襲われたとみられています。
同様の事案は、5年前、2020年の7月に、仙北市の駒ヶ岳の登山道でも発生。
当時も、強い風と霧で見通しが悪く、クマ鈴は携帯していたものの、雨避けのカバーがかかり、音が鳴らない状態でした。
人身事故を防ぐためには、正しい知識が必要です。
現在、インターネットを中心に「最近のクマは鈴やラジオの音に寄ってくる」など誤った情報が出回っていて、県は、ホームページなどを通じて、正しい情報を身につけるように呼びかけています。
鈴木 知事
「クマ問題についても、最先進県となってしまいましたので、秋田県としては、受け身ではなく、まず、県民の皆さんの命を守るために、しっかりと率先して対応していきたいと思っています」
県は、山に入る際は、音で人の存在をアピールして、複数人で行動することや、過去に事故が起きて入山禁止となっている場所には、決して立ち入らないよう呼びかけています。