日本海中部地震から42年「県民防災の日」前に県内各地で訓練 地震や津波を想定 いざという時の対応を確認 秋田県

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秋田 2025.05.23 18:09

3日後の今月26日は、県民防災の日です。

日本海中部地震から42年となります。

これに先立ち、県内各地では、地震や津波を想定した訓練が行われ、いざという時の対応を確認しました。


【県庁】

県庁で行われた訓練は、秋田県沖を震源とするマグニチュード7.9の地震が発生し、県内で最大震度6弱の揺れを観測。

大津波警報が発表された想定で行われました。

大規模な災害が発生した際、県庁第二庁舎の4階には、災害対策本部が設けられます。

23日は、県のほか、自衛隊や警察、それに消防の職員など約90人が集まり、各市町村の被害状況をまとめたり、災害派遣を要請する手順などを確認したりました。

陸上自衛官
「被害の状況の大きさからも、災害派遣になる可能性が大変高いと思います。速やかに出動できる準備をして、災害派遣要請、知事からいただいた際には、速やかに出動できるように準備をしたい」
県職員
「今、危機管理監の方から知事に伺って承認を得たいと思います」

時間の経過とともに、次々と明らかになる被害状況。

ヘリコプターが撮影した上空からの映像を元に、地上から近づくことが困難な場所を把握します。

県のトップに立ってから初めて訓練に臨んだ鈴木知事。

それぞれのテーブルを回り、各機関の役割や連携を確認しました。

鈴木 知事
「近年、秋田に限らずですね、全国的に災害が増えていますので、そうした各機関ごとの経験値というものがあると思うんですよ。それをしっかり生かしていただいて、県民の皆さんも全県、非常に広いですので、どこにいらっしゃっても、しっかりとした救助・救援の手が届くような、そういう実効性の高い防災体制を構築していただければと思います」


【男鹿市】

28世帯が暮らす、男鹿市船川港の西本町二区町内会です。

住民の多くが日本海中部地震の経験者で、災害への備えの一環として、普段から互いに関わり合う機会を設けています。

菅原一樹さん
「やはり坂道で、高齢になってきて、足腰が非常にきついという方々が多い声がありました。したがって、今回いろいろな面で、角度から、坂を体験してのぼってもらって、次にどういうふうな改善をできるのかなというのも一つの課題にしたいなと思っております」

避難場所は、標高約33メートルの場所にある神社です。

去年までは、高齢者をリヤカーに乗せる訓練も行っていましたが、リヤカーを引く人自身も高齢で負担が大きいため、全員徒歩で避難することにしました。

サイレンから約10分後、訓練の参加者が避難場所に到着しました。

菅原一樹さん
「みなさんにお話を聞いたら、結構散歩とか、あるいは車を返納して、買い物もやはり近くまで2キロぐらいまで行く関係で、足腰がだいぶ高齢の割には強くなって、昨年よりも足取りが良かったように感じました。やはり高齢だから運動しないんじゃなくて、やはり適度な運動も必要じゃないかなとすごく感じました」

一方、別の参加者からはこんな声も。

カメラマン
「無線って家の中にいれば聞こえました?」
住民
「いや~、これがなかなか聞こえないんだなぁ、あれなぁ」
「まぁ鳴るのはちょっとはな」
「鳴るのはあれだけど、全体のしゃべることがね、 ちょっともう少し…みんな高齢化しているから、もう少し話しやすいしゃべり、なんていうか、聞きやすいように」
「できねんだべ、あれなぁ」

菅原さんは、防災無線を聞き取りやすくするよう、男鹿市に何度も要望していますが、改善されていないということです。

市は、公式LINEやメールを活用してほしいと呼びかけていて、命を守るための情報をいかにして全ての住民に届けられるかが課題となっています。


【能代市】

能代市の愛慈幼稚園では、40人の園児が防災訓練に参加しました。

大規模な地震が起きれば、津波で最大で7メートルほどの高さまで浸水すると予想されている、愛慈幼稚園。

紙芝居などを通じて、地震の時はダンゴムシのポーズで自分の身を守ること。

揺れがおさまったら、津波に備えてすぐに高いところに逃げることなどを学びました。

教室に戻った後は、早速、実践です。

日本海中部地震では、激しい揺れと津波に襲われた能代市。

当時、愛慈幼稚園に通っていた子どもたちも、近くにある高台へ避難しました。

災害は忘れた頃にやってくる。

普段から備えることの大切さを学んだ園児たち。

園児
「ダンゴムシポーズした」

記者
「地震がグラグラってきたらどうするんだっけ?」
園児
「…頭をまもる」

園児
「高いところに逃げる」

もしもの時に、1つしかない命を守るために。

防災への意識を高め合いました。