ブラウブリッツ秋田の未来をひらく「アカデミー」日本代表候補選出の期待の星と帰って来た"コーチ"

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秋田 2025.05.07 18:11

これまでは、中学・高校時代のスポーツといえば、「部活動」が主流でしたが、近年はクラブチームという選択肢も多くなっています。

プロスポーツチームも、将来、自分たちのトップチームでプレーする選手を育てようと、育成組織を整備しています。

サッカー・ブラウブリッツ秋田の中学年代チームには、日本代表候補合宿に参加した、将来が楽しみな選手と、秋田のためにコーチとして戻って来た、かつてのキャプテンがいます。

■日本代表候補にも選出!ブラウブリッツU15 期待の星

先月23日。

陽が落ち始めた午後6時半。

ブラウブリッツ秋田のバスから降りてきたのは、ブラウブリッツのアカデミー・育成組織の選手たちです。

トップチームと同じように、ブラウブリッツの魂を胸に、日々、練習に励んでいます。

こういった「アカデミーの整備」は、Jリーグの参加資格・クラブライセンスの基準のひとつにもなっています。

高校年代のU18、中学年代のU15、小学生年代のU12とカテゴリーを分けてチームが組まれています。

「プロ選手になりたい」という強い気持ちで選抜試験に合格した精鋭たちが集まるアカデミー。

トップチームへ昇格する選手を育てられるかどうかも、そのクラブの力量にかかっています。

このブラウブリッツU15から、先月、日本代表候補合宿に参加したのが、小田嶋優希選手、中学3年生です。

ポジションは、守備の要のセンターバックで、184センチの長身を生かしたヘディングが持ち味。

左右どちらの足でも蹴れる正確なキックで、DFラインからの攻撃の組み立てにも貢献します。

ブラウブリッツU15のフィールドプレーヤーで日本代表候補に選ばれたのは、小田嶋選手が初めてです。

小田嶋 選手
「トップレベルのセンターバックが集まった中で、そのいいところをまねして、チームを勝たせられるようにがんばりたい」
廣田アナ
「刺激にはなりましたか?」
小田嶋 選手
「めっちゃなりました」

実況
「鹿角ボールになる!10番の小田嶋ワンタッチ」

出身は鹿角市の小田嶋選手。

小学1年生からサッカーを始め、技術も身長もグングン成長。

本気でプロ選手を目指そうと、ブラウブリッツU15を選び、母親とともに秋田市に移り住みました。

日本代表候補が集まる合宿では、同年代のトップ選手との差を痛感したという小田嶋選手。

今後、さらなる成長を目指します。

小田嶋 選手
「日本代表になって、日本代表だけで満足せず、世界の誰もが名前を知っているような選手になっていきたいと思います」

■ブラウブリッツの顔・山田尚幸さんの新たな挑戦

このブラウブリッツU15では、学年ごとに、それぞれ担当コーチがついています。

2年生のチームで今シーズンからコーチを務めるのが、山田尚幸さん、37歳です。

山田さんは、2013年、当時JFLのブラウブリッツに選手として加入し、ディフェンダーやボランチとして9年間に渡りプレー。

JFL・J3・J2、すべてのカテゴリーで、ブラウブリッツでプレーした唯一の選手です。

さらに、クラブの歴史の中で最長となる5年間キャプテンを務め、2017年・2020年と2度のJ3優勝にも大きく貢献しました。

山田さん
「第2の故郷じゃないですけど、過言ではないので、すごく嬉しい気持ちとともに、これから秋田を発展させるために尽力していかないといけないなと感じています」

昨シーズン、J3のヴァンラーレ八戸で現役を引退し、セカンドキャリアを秋田で、指導者としてスタートさせた山田さん。

山田さんの指導を見ていると…。

山田さん
「ナイス、ナイス。"たまぎわ"負けない。"たまぎわ"負けない」

ボールを奪い合う局面を意味する“たまぎわ”。

トップチームの吉田謙監督は、よく魂の際で「魂際」と言いますが…。

廣田アナ
「『球』なのか『魂』なのかでいうと?」
山田さん
「それはもう、言わずもがな、です。『魂』の方で」
「そこはトップ(チーム)を目指して選手たちも成長しているので、トップで大事なものは、僕もそこは吉田監督から引き継いでいるので、子どもたちにその熱は伝えないといけないなと思っているので」

憧れの選手から指導を受けることになった子どもたちは。

中2 髙橋蒼生 選手
「夢のような。すごい優しくて楽しいです」

中2 長谷部修斗 選手
「僕もボランチなので、"たまぎわ"の部分とか、ボランチの立ち位置とかの最適解な場所をしっかり教えてもらっています」
「山田さんを超えられるようなプロサッカー選手になりたいです」

選手自身に考えさせて、プレーの引き出しを増やせるような指導を心がけたいという山田さん。

再び、秋田の魂と共に、選手たちを引っ張ります。

「とにかく秋田のために、というのを自分の中で心がけて、ピッチ内だけじゃなく、ピッチ外でも、秋田はすごいよね、秋田の選手はすごいよねと言ってもらえるようなところを目指してがんばっていけたならと思います」

ブラウブリッツ秋田アカデミー。

ここから、ブラウブリッツの未来が育まれます。

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今シーズンのJリーグでは、J1・FC東京で卒業間近の当時中学3年生が出場し、15歳7か月22日と、J1最年少出場記録を約21年ぶりに塗り替えました。

この中学年代からトップチームに絡む選手がどんどん出てくることを期待したいと思います。