秋田内陸縦貫鉄道の新社長が就任 目標は2億円超の赤字の縮小 「持続可能な鉄道運営を実現するため取り組む」
秋田内陸線を運行する第三セクター・秋田内陸縦貫鉄道は昨年度10年ぶりに2億円を超える赤字となりました。
厳しい経営状況が続く中、23日新たな社長が就任し、「持続可能な鉄道運営を実現するために取り組んでいく」と抱負を述べました。
秋田内陸縦貫鉄道の新たな社長に就任したのは長峰英雄氏58歳です。
東京都出身の長峰氏は、これまでJTBで東北地方の宿泊・観光施設への誘客の促進などに力を入れてきました。
社長の交代は8年ぶりです。
秋田内陸縦貫鉄道 長峰英雄新社長
「人口減少や利用者数の減少など厳しい経営環境に直面しております。この課題を乗り越え持続可能な鉄道運営を実現するためにみなさまのお力をお借りし取り組んでまいります」
一方、23日開かれた株主総会で承認された昨年度の決算は2億1,841万円の赤字です。
人件費や除雪費の増加、それに燃料費の高騰などを受けたということです。
赤字額が2億円を超えるのは、2014年度以来10年ぶりです。
秋田内陸縦貫鉄道は、2010年に県と北秋田市、仙北市との4者で結んだ合意に基づき、年間の赤字額を2億円以内とすることを経営目標としてきました。
実際、2015年度から2023年度にかけては、この目標を達成してきました。
今年3月には4者で新たな合意が結ばれ、今年度からは赤字額の目標を1億6,500万以内にするなど段階的に赤字幅を縮小させることになりました。
しかし、その直前の赤字額拡大。
厳しい経営状況が続く中、社長に就任する長峰氏。
鉄路の存続に向け、難しいかじ取りが求められます。
秋田内陸縦貫鉄道 長峰英雄新社長
「台湾であったり香港であったり、または欧米も含めて外からのお客様を増やしていかないことにはどうしようもないというふうには思っています。」
長峰氏は内陸線の課題に認知度をあげ、JTBでの勤務で築いた東北地方の宿泊施設や観光施設とのつながりを生かして利用客の増加を図りたい考えです。