【特集】“令和のコメ騒動” コメ不足と価格高騰… 全国有数の産地・横手市のコメ加工会社のいま 秋田
次の日曜20日に投票日が迫っている参議院選挙についての特集です。
今回の選挙でも大きな争点となっているのが日本の主食「コメ」です。
かつて経験したことのない価格高騰でコメを取り巻く環境が大きく変化している今年。
全国有数の産地、横手市のコメ加工会社では、日々対応を迫られながら出荷を続けています。
コメの流通現場の現状を取材しました。
■“令和のコメ騒動” 出荷を調整しながら販売をつなぐ…
横手市のコメ加工会社、アスカフーズです。
主食用や加工米、それに酒米など年間約5,000トンのコメを出荷しています。
去年の夏に店頭から消えて以来続いている、いわゆる“令和の米騒動”。
全国有数の産地、横手市に拠点を構えながらも、出荷調整をしてなんとか販売をつないでいるのが現状だと話します。
アスカフーズ 米穀事業部 後藤孝 営業部長
「もし出荷の規制をかけないでいると、もう出来 秋までコメがもたないと。備蓄米が、あれがなかったらもうたぶんコメは全然間に合わなかったというような状況」
県内をはじめ、北東北3県のスーパーなどの小売店に精米したコメを卸しているアスカフーズ。
コメの引き合いが異常なまでに強まった今年は、利益だけを求める販売戦略に舵を切ることもできたといいますが…。
アスカフーズ 米穀事業部 後藤孝 営業部長
「コメ不足ということもありまして、新規のところとか普段取引ないところからも問い合わせは多々ありました。玄米そのまま転売した方が手間いらずで利益もあったのですが、やっぱりそれをしてしまうといま小売店さんに出すコメがなくなりますので、もう指をくわえてがまんして白米で」
■冷凍食品の注文急増も… 追いつかない価格転嫁
精米したコメに加え、会社の売り上げの約半分を占めるのが、加工用のコメを使った冷凍食品の製造です。
直火の釜炊きにこだわった風味豊かなご飯を使い、大手食品メーカーや外食チェーンから委託を受けた冷凍食品約60種類を製造しています。
今年は、この冷凍食品の注文が急増しているといいます。
アスカフーズ 食品事業部 小田嶋明 営業部長
「これほど多い時期っていうのはなかなかなくてですね。日勤夜勤、土日フルで稼働させていただいている状態です」
消費者にとっては、コメに比べて価格変動が小幅で、調理時間など手間が少ない冷凍のピラフやチャーハン。
アスカフーズでは4月から生産体制を強化しました。
しかし、人手不足に加え悩みの種となっているのが…。
アスカフーズ 食品事業部 小田嶋明 営業部長
「売り上げはものすごく上がってありがたいんですが、現実としては原材料の高騰、エネルギーコストの上昇、そういうのがありまして、なかなか価格転嫁が追いついていかなくて、なかなか利益が上がりづらいというのが悩みでございます」
注文が急増する中でのコメ不足。
加工用のコメの確保も当然、容易ではありません。
アスカフーズ 食品事業部 小田嶋明 営業部長
「コメの確保がかなり難しくなってきています。コメ不足でなかなか手が出せないお客さまいらっしゃると思います。やはり日本人ですので、もっともっとお米を食べていただきたいという気持ちで、何とかですね、かき集めてお客様に迷惑がかからないようにお届けできるようにがんばっていきたいと思います」
■「生産者も、販売者も、消費者も潤う」コメ加工会社の願い
県内のスーパーが随意契約で購入した政府備蓄米の精米も手掛けるなど加工ラインがフル稼働しているアスカフーズ。
懸念しているのが今年の秋の新米価格です。
アスカフーズ 米穀事業部 後藤孝 営業部長
「消費者がついてきてこれるかというところが一番心配です。各JAさんも去年より7、8千円くらい高い価格を設定して集荷すると。ということは7年産は去年以上にコメの単価が上がると。生産者としては手取りが増えて秋田経済も潤うんでしょうけど。高いコメを仕入れて、仕入れたはいいけど、契約したはいいけど、売り切れ、ない、なんてなると大変なことになりますんで。生産者も潤う、販売者も潤う、消費者も潤う、そのバランスをうまく政府の方で舵取りをしていただきたいと私はそれを強く願います」
日本の主食「コメ」の不足と価格高騰に揺れている今年。
全国有数の米どころの加工会社は、生産者と消費者を気にかけながら新米が出回る収穫の秋へと備えています。
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