【特集】"関わり合う"ことを大切に6年ぶり夏の大舞台へ 男子サッカー・秋田商業の強さの秘密とは
高校スポーツの全国大会・インターハイの特集、8日は男子サッカーです。
今年の代表は、6年ぶりの出場をつかみとった秋田商業です。
秋田商業といえば、豊富な運動量をベースにした「鍛え抜かれたサッカー」が特徴で、インターハイ、冬の選手権ともに、全国最多の出場回数を誇ります。
ここ数年は、より、練習中のコミュニケーションや雰囲気作りを大切に練習に取り組んできました。
そのワケを取材しました。
全県高校総体を制した、秋田商業サッカー部。
6年ぶりのインターハイは、全国最多・35回目の出場です。
前回、全国のピッチを踏んだのは、4年前の冬の選手権にさかのぼります。
インターハイは、今の選手たちにとって初めての全国の舞台です。
村田珀 主将
「今年こそは絶対優勝しなきゃって気持ちで戦いました」
「これから暑くなってくるっていうところで、体力も消費してしまうので、“走り”を今、強化しています」
落ちることのない運動量と、相手を圧倒する走力で、全国にその名を轟かせてきた秋田商業。
今もそのベースは変わらず、全員が連動したサッカーで、相手ゴールへ襲い掛かります。
サッカーの技術だけではなく、選手の人間力も高めることを心掛けて12年。
チームのOBでもある小林克監督は、毎年変わる選手の性格や特徴を見極めながら指導してきましたが、近年はその接し方に変化があったといいます。
小林克 監督
「今の高校3年生の世代というのは、小学校6年生から中学校に上がるくらいのタイミングで、コロナということで、いろんな活動が制限された年代でしたので」
「そういう中でコミュニケーション不足を解消するためにも自分の思いを相手に伝えることもそうですし、他者の意見をきちんと聞き取る、そういうこともそうですし、関わり合う、自分から積極的に関わっていくなんていうことも、いろんな面でいろんな角度から子どもたちにアプローチできれば、それがプレーの幅に広がっていくのかな、なんてことも思って指導しています」
声をかけ、積極的に関わり合う。
コロナ禍の小中学生時代に経験した辛かったことを見つめ直してもらうことで、厳しい練習の中にも、笑顔やコミュニケーションが増えてきました。
そして、6年ぶりにつかんだインターハイの出場権。
チームをけん引するのは、東京出身のストライカー・竹谷柊真選手です。
秋田商業に進んだ東京のチームの先輩が全国のピッチで戦う姿に憧れて、秋商サッカー部の門を叩きました。
1・2年時は課題だったという決定力に磨きをかけ、全県総体決勝では、県内のライバル・西目を相手にハットトリックを達成。
前線の守備でも強度を落とさず、相手にプレッシャーをかけ続けました。
ここ数年、チームが大切に取り組んできたコミュニケーションは、この竹谷選手の成長を大きく後押ししました。
竹谷柊真 選手
「自分が最上級生になって、余裕が生まれて、そこで周りが見られるようになって。自分が『ここ味方に行ってほしい』っていうところにしっかり言うこともできるし、チームがダメな雰囲気になった時も声をかけられるようになりました」
選手たちにとって初めての全国大会。
まずは、県勢15年ぶりのインターハイ初戦突破を目指し、今月26日に愛知工業大学名電と対戦します。
1回戦で勝利を収めれば、去年のチャンピオンチーム・埼玉の昌平が待ち受けています。
竹谷柊真 選手
「まずしっかり1回戦勝って、そこから流れに乗りたいです」
村田珀 主将
「秋商らしい走りで、全員攻撃と全員守備で戦いたいです」