農家自慢のアスパラガスに異変「こういう状態は初めて」 夏の収穫最盛期迎えるも…日照りや水不足が影響 中山間地の農業の現場 秋田
県内は28日も日差しが降り注ぎ、暑くなりました。
秋田市では15日連続で最高気温が30度を超えています。
そして、雨の降らない日も続いています。
日照りや水不足による農作物への影響が出始めています。
中山間地の農業の現場を取材しました。
由利本荘市岩城地区の山あいにあるアスパラガス畑です。
夏の収穫が最盛期に入っていて、作業は9月まで続きます。
10年余りにわたってアスパラガスをつくる農家の田口守さん。
手塩にかけるアスパラガスにこの夏、異変が起きているといいます。
田口守さん
「それなりの人が見ればわかるんだろうけどこういうふうにしわなってる縦じわ、見えるかな…で、張りがないの…しんなりしてる」
記者
「これなんの影響ですか」
田口守さん
「水不足」
「10何年やってるけどこういう状態はないな初めて、今年。こんなに雨降らなかった年もないし。」
由利本荘市では中心部の7月の降水量は平年で190.2ミリですが、今年7月27日までに降ったのはわずか8.5ミリ。
平年の4パーセントほどにとどまっています。
張りが失われているアスパラガスに水を与えようにも、中山間地では水源が限られています。
流れてくる沢の水は例年の半分程度にまで減っているということです。
ポンプで畑へと汲み上げていますが、利用する時間帯や水の量は、周辺の田畑を管理するほかの農家と調整せざるを得ません。
こうした水不足の影響により、品質を維持することが難しく、1日の収穫量は3割ほど減っています。
今後も雨が少ない状態が続けば、重度の高温障害も懸念されています。
近くの道の駅の直売所でも人気だという自慢のアスパラガス。
田口守さん
「この先も、ちょっと(雨が降る)見込みなさそうだから、ちょっと厳しいかなって」
「こればっかりはな、水不足はな、お天道様次第だから…うーん」
少ない水の管理に気を配りながら、田口さんは恵みの雨を待ち続けます。