大雨で被害を受けた五城目町 ボランティアによる復旧作業はじまる 農業法人からはコメの品質に不安の声 秋田
大雨で河川が氾濫し浸水被害を受けた五城目町でボランティアによる復旧作業がはじまりました。
一方、コメの収穫を目前に冠水被害にあった地元の農業法人からは「米の買取価格が上がっている中、品質が落ちるのが心配だ」と不安の声が聞かれました。
五城目町の社会福祉協議会は4日、大雨の被害を受けた地域の復旧作業に取り掛かりました。
ボランティアを依頼したのは、内川川のそばで暮らしている田島米子さん73歳です。
2日、男鹿市の職場から冠水した道路をう回しながら約4時間かけて帰宅したところ、庭には流木が流れつき、玄関前は厚い泥で覆われていました。
4日は近隣の郵便局から駆け付けた6人が玄関前の泥寄せ作業を手伝いました。
郵便局長会会長 千田博幸さん
「2年前私も妻の実家被災して、いろんな人に助けてもらったので、やっぱり困っている人がいれば仕事休んでも応援に行きたいなと思って今日仕事休んで来ました」
田島さん
「助かりますほんとに。一人住まいだから一人でやらなきゃいけないのはかなりの負担。」「全然気持ちが楽です。一人の手よりも早く終わるしありがたいほんとに」
支えてくれる人たちとともに、一日でも早い生活再建を進めていきます。
一方、被害は五城目町の基幹産業にも。
富津内川のすぐそばにある「農業法人山ゆり」の田んぼは、刈り取り目前にして冠水被害にあいました。
山ゆり代表 伊藤武志さん
「すごい状態です。濁流がね、渦巻いて流れてるんです」
あっという間に一面、海のようになったといいます。
伊藤武志さん
「ここ4年で3回目だから毎年来るんだなという風に残念ながらみてますよ」「河川の工事が来年から始まる予定なんですよ、まあ一日も早くやっていただければという気持ちなんですけど」
所有する95ヘクタールの田んぼのうち、2割近くが被害を受けました。
コメの買取価格が上がっている中での被害に不安が募ります。
伊藤武志さん
「よく見るとね、泥被ってるんですよやっぱり。泥水ね、完全に稲穂を超えましたから。泥がもみにこびりついてるんですよ。品質低下なると思います」「田んぼ自体はモノ言いませんのでね。やっぱりせっかくね収穫直前まできてる中でこの状態なるのは寂しいですね」
出来秋を目前にして、大雨の爪痕が営農に暗い影を落としています。