秋田沖などの洋上風力発電事業から撤退 三菱商事の中西勝也社長が鈴木知事に陳謝「期待に添える結果が出せず、お詫びしたい」 秋田

この記事をシェア

  • LINE
秋田 2025.08.29 18:22

秋田沖などの洋上風力発電事業から撤退する大手商社=三菱商事の中西勝也社長が鈴木知事と面会し、「期待に添える結果が出せず、お詫びしたい」などと陳謝しました。

面会の大半は非公開でしたが、取材に応じた中西社長は秋田の経済活性化に向けた取り組みを進めていく考えを示しています。

佐藤久人記者
「今県庁前に、大きな黒い車が到着しました。車が2台県庁の入り口に到着しました。三菱商事の中西社長です。千葉県への訪問に続き、秋田でも事情の説明に訪れました」

県内経済に大きな影響を与えかねない決断を下した、三菱商事の中西勝也社長は、午後2時前に県庁に到着しました。

秋田と千葉沖で計画していた洋上風力発電事業からの撤退を表明したのはおととい。

記者会見の席で、地元の期待を裏切り申し訳ないと話していましたが、その地元に対して、直接、謝罪することが訪問の目的です。

「大きな衝撃であり、遺憾だ」と、厳しい表情で話していた鈴木知事は、29日も硬い表情を崩さないまま席につきました。

県内に拠点があるほぼすべての報道機関が集まる中、両者の面会が始まりました。

三菱商事 中西勝也社長
「秋田の皆様のご期待に添える結果が出せなくて。それをまずお詫びをしたくて参りました。本当に申し訳ございませんでした」

会社のトップ自らの謝罪に、鈴木知事は再び「遺憾である」と話したうえで、企業としての責任を果たすよう求めました。

鈴木知事
「本県の経済産業規模に比べて、このプロジェクトが非常に大きいものですから、それだけに期待も大きくて、県内中小企業に私どもも県としても、頑張って挑戦しましょうと、この波及効果を得ていこうじゃないかということを掲げてきましたので、県内中小企業の中にもかなり背伸びをして投資をしている企業がございます。そうしたみなさんに対する様々な道義的社会的な責任というものも、ぜひ果たしていただきたいなというふうに思っております」

しかし、29日はここで矛を収めた鈴木知事。

鈴木知事
「こうなった以上ですね、さらに力をお貸しいただきたいと思ってます。本県は観光資源にしても、農林水産、食品にしてもまだまだ磨き上げる余地の大きな資源がたくさんあります。総合商社である三菱商事さんのお力をお借りしたいと」

三菱商事 中西勝也社長
「お詫びに参ったのですが、温かい言葉をいただいてありがとうございます。本当に今回の件は真摯に反省し、今お約束した地域の皆さんへのことはきちんとさせていただきたいと思います」

県庁 広報担当者
「これで一旦退席をお願いいたします」

撮影が許されたのは、面会の冒頭、6分ほど。

すべての報道機関が部屋を出るまで、両者が言葉を発することはありませんでした。

県庁 広報担当者
「どなたか携帯電話をお忘れの方いらっしゃいませんか?」

両者のやりとりを録音するため一部の記者が置いたとみられるスマートフォンも机からなくなり、両者の面会は報道機関を完全にシャットアウト。

県は、非公開にすることを求めたのは三菱商事側だと説明しています。

非公開とした面会は、約15分で終了。

取材に応じた中西社長は、秋田の経済活性化や地域貢献に取り組んでいくことを県側に伝えたと説明しています。

三菱商事 中西勝也社長
「これからも三菱商事グループとして新しい事業、洋上風力とは別のことを申し上げてるつもりですが、そのためにも秋田支店をきちんと残して、秋田の方々にできるだけ寄り添ったかたちで、課題解決を一緒に汗を流させていただければなと思ってます」
記者
「『地域共生』のビジョンが見えづらい印象、何か具体的な計画は?」
中西社長
「共生策として具体的にですね…詳細はここでお話申し上げませんが、漁業ですとか、交通の部分とか、いろいろメニューを出してすでに打ち合わせをずっとさせていただいているのをこれからも継続すると」

29日の面会には三菱商事が撤退した事業に共同で取り組む予定だった、秋田市の企業「ウエンティジャパン」も同席していました。

ウェンティ・ジャパン 佐藤裕之社長
「こんなことでびっくりしてたらダメですよ。いろんなことがあり得ると思います。そのうえで次の策をどういうふうに組んでいくか。それはやっぱり我々経済人の仕事だと思いますので、そういう目でこれからも応援してください」

面会や報道機関への対応を終え、足早に県庁を後にした三菱商事の中西社長。

能代市や男鹿市、由利本荘市や三種町など、事業の動向に大きな関心を寄せていた県内の自治体を訪れるかどうかについては、明言しませんでした。

国家肝いりのプロジェクトからの撤退を決めた、国を代表する企業は、今後秋田とどのように関わり、恩恵をもたらすのか。

今後の動向が注目されます。