秋田県内でも相次ぐ不審電話による詐欺被害…実際に来るのはどんな電話?住民が体験

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秋田 2025.05.29 18:21

警察や電話会社などをかたった不審電話による詐欺被害が、秋田県内でも相次いでいて、相談も増加傾向にあります。

これを受けて、秋田市で、警察官が地域を巡回して被害の防止を呼びかけました。

住民は、高額の詐欺被害にもつながりかねない悪質な手口の体験もしました。

交番や駐在所の警察官や見守りボランティアは、日頃から地域の見回りや訪問活動をしています。

その一環で、秋田東警察署は、近年手口が悪質化している詐欺の被害を食い止めようと、訪問に合わせて、ある取り組みを始めました。

「おはようございます、巡回でまわって来ました」
「警察官が、実際に不審電話をかけまして、どのような特殊詐欺の被害に誘導させるか体験してみませんか」
「できるかなぁ」

実際にあった詐欺の手口をモデルに、この地域の町内会長、佐々木慶一さん78歳に体験してもらいました。

「あなたの口座がですね、詐欺の犯人グループが使用する講座として利用されていることが判明しまして、というのもですね、警視庁で特殊詐欺事件の犯人の家を家宅捜索を行ったところ、あなた名義の口座のキャッシュカードを持っていたんですよ」
「関与していないとしても、あなたの資産をすべて暗号化して、今後第三者に使われないようにして、お金を調べる必要があるんですよ。調べたらお金は戻ってくるので、安心してください」

こうした不審電話の中で最も多いのが、警察官をかたる手口です。

「+」で始まる番号からかかってくることが多く、事件の解決のためなどと言われ、金をだまし取られる被害が、県内でも相次いでいます。

国際電話を拒否するサービスや、ナンバーディスプレイを表示する設定にすることも有効な対策だということです。

「きょうはまず訓練で電話に出ていただいたんですけども、普段、やはり知らない番号からかかってきた場合は、注意をしていただいて、なるべく出ない方が良いかと思います」

佐々木慶一さん
「こういうふうな具体的だってことまではちょっと分からなかったので、こういうことまで覚えた、知識として覚えたってことが良かったと思います」
「老人の方々が結構、そういうようなことで相談を私受けるんですよね。それをですね、自ら経験したことをですね、もうちょっと詳しく伝えていければなということで思っています」

電話会社や行政機関を装うケースもあり、判断が難しくなっているという不審電話。

年金の支給日に合わせて増える傾向にあるといいます。

秋田東警察署は、詐欺の被害に遭わないように、こういった体験を役立ててほしいと呼び掛けています。