県内を襲った記録的な大雨の降り始めから1週間 生活・交通・伝統行事…各方面に大きな影響 秋田・仙北市

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秋田 2025.08.26 18:15

仙北市を中心に県内を襲った記録的な大雨の降り始めから26日で1週間です。

被害に遭った地域では住民の生活をはじめ交通や地域の伝統行事にも大きな影響が出ています。

北嶋大聖記者
「発災の翌日にはこのあたり更地だったんですが、いまは水に浸かるなどして手放さざるを得なくなった家財道具などが山積みになっています」

仙北市は大雨被害によって廃棄した家財道具などの回収を25日から本格化していますが、早くても今週いっぱいはかかる見通しです。

家具や家電を失った住まいで生活の再建が少しずつ進められています。

斎藤雄馬さん
「全部床泥だらけだったので、このへん染みてくるっていうか茶色いところが多分、水が下の湿気で出てるところかな」

床上まで浸水被害に遭った斎藤雄馬さんの住宅は25日、床の消毒作業を終えましたが、復旧は道半ばです。

仙北市は26日から支援制度の利用に必要な、り災証明書の発行を開始しました。

市の職員が被害の遭った住宅をまわり手続きを進めるということです。

浸水被害の影響は他にも。

「ボイラーがだめなので、水と電気は通ってもボイラーまだ触れてないので」

お湯が使えず、湯舟に浸かることができません。

仙北市では断水を含む被害に遭った人とボランティアを対象に、公共施設の浴場や市内の3つの温泉施設が無料で開放されています。

このうち西木温泉クリオンでは、これまでに延べ120人余りが無料で温泉を利用しています。

利用者
「断水してから1回もお風呂入れてなかったんで」「お風呂ってあるのとないとでは大違いだなっていうのはあるので大変助かります」

大雨の被害は地域の交通にも深刻な影響を与えています。

秋田内陸線は北秋田市の比立内駅と仙北市の角館駅の間で区間運休が続いています。

「中の方もみんな水没してらんでぇ」

26日は、運行する秋田内陸縦貫鉄道の社員が被害か所を点検しました。

倒れた電柱は駅舎に電気を供給するためのものです。

このほかにも線路への土砂の流入や線路下の盛り土の流出などが確認されています。

秋田内陸縦貫鉄道 三浦英樹さん
「お客様さ今ほんとご迷惑おかけしてるので、やっぱり早い復旧、うん、それさまず迅速に努めていきたいと思っております」

秋田内陸縦貫鉄道は今週中にも被害の全容を把握し、早急に復旧の目処を立てたい考えです。

被害の爪あとは伝統行事にも影を落としています。

毎年2月に行われる小正月行事「上桧木内の紙風船上げ」です。

しかし、紙風船をつくる拠点となる市の施設が浸水。

保管していた『紙風船に使う和紙』などが水に浸ったり流されたりしました。

一方で善意も多く寄せられています。

ボランティアで訪れた人たちが、用意した和紙に寄せ書きをしたためています。

上桧木内町内会 鈴木英二会長
「全国からいろんなものでご支援いただいて、本当にありがたいし頑張れをもらっている」

大雨の降り始めから26日で1週間。

さまざまな助けを借りながら、日常を取り戻すための道のりが続いています。