秋田市で平和祈念式典 誓い新たに
終戦から80年。秋田市で、犠牲者を追悼し、平和を祈る式典が開かれました。参列した遺族や市民などが平和の誓いを新たにしました。
4400人余りにのぼる秋田市の戦没者を追悼する式典には、遺族や市民など約300人が参列し戦争で犠牲になった人たちの冥福を祈りました。
北川セチ子さん84歳の実の父・清治郎さんは1940年に満州で亡くなりました。その後、義理の父となった清治郎さんの弟・清さんも満州に派遣され、帰らぬ人となりました。
「父(清さん)は必ず帰ってくると信じ私が小学5年生のころまでちゃぶ台に父の写真を置き陰膳を備え毎日父が帰るのを待ちました。」
「母は疲れた時、あんたが男の子だったらなんぼ助かったかなど愚痴を聞かされるほど大変苦労していましたがそのうち父が帰ってくるからと二人で慰めあっていました。」
「私たち戦没者遺児は命の大切さと二度と戦争をしてはいけないことをしっかりと後世に伝えることが務めだと思います」
次の世代へ戦争の記憶を継承していくために追悼式で読み上げられたのは小中学生から募集した「平和のメッセージ」です。
岩見三内中学校3年 石塚菜々美さん「戦没者名簿を見ると私の住む留見瀬(とどみせ)町内からも遠くルソン島やニューギニアで戦死した方が何人もいらっしゃいました。私は今回学んだことを忘れず戦争の愚かさと悲しみを語り継いでいきたいと思います」
現在の秋田市遺族会の会員は約230人で、15年前の3割ほどまで減少しています。
戦争を直接体験した人はおろかその遺族の記憶も伝え継ぐことが難しくなる中、参列者が平和の誓いを新たにしました