【参院選 2025】間もなく後半戦へ 1議席を4人で争う秋田県選挙区 選挙戦前半の各候補者を追う
参議院選挙は、12日から後半戦に入ります。
1つの議席を4人で争う秋田県選挙区。
選挙戦前半の各候補者を取材しました。
参院選秋田県選挙区に立候補しているのは、届け出順に、NHK党の新人・本田幸久氏43歳、参政党の新人・佐藤美和子氏65歳。
自民党の元参議院議員・中泉松司氏46歳、無所属で現職の寺田静氏50歳の4人です。
N党 新 本田幸久 候補
前回・3年前の参院選に続き、2度目の国政挑戦となる、NHK党の本田幸久氏。
愛知県出身、埼玉県で暮らす、43歳です。
本田幸久 候補
「私がですね、秋田の候補に最適な人間でないのは百も承知の上でございます。しかし、以前はですね、1人で来て1人で帰っていましたが、前回2022年ですね、今回は迎えてくれる仲間もおります。今回もですね、多くのことは秋田県でですね、選挙活動としてはできませんが、少しでもですね、秋田にNHK党・立花孝志の主張が届けばと思い、この度、立候補の方を決意しました」
受信料を支払った人だけがNHKを視聴できるスクランブル放送の実現など、NHK党の主張を県内に広めることを目指している、本田氏。
前回は、準備作業や選挙活動をすべて1人で行いましたが、今回は、県内在住のNHK党スタッフ、小林正光さんと、二人三脚で選挙戦に臨んでいます。
手作り感満載の選挙カーは、小林さんが妻の愛車を改装して用意しました。
小林正光さん
「NHKをぶっ壊さないといけないんで、はい、一生懸命頑張っていきます。本田候補はきょうで帰りますけれども、選挙戦17日間ありますので、本田さんの代わりになって、一生懸命頑張っていきたいと思います」
本田氏は、今後、秋田入りする予定はありませんが、小林さんをはじめとしたNHK党のスタッフが、支持を呼びかけることにしています。
参政 新 佐藤美和子 候補
選挙活動を続ける中で、候補者が出会うのは、様々な有権者だけではありません。
記者
「きょうお昼は何食べた?」
佐藤美和子 候補
「お昼はきょう…ええと…あの…大館で…鶏めし弁当!」
記者
「あぁ、いいですね」
佐藤美和子 候補
「おいしかったです、とっても。やっぱり名物食べるってのはね。なんかいいですね、その土地のね」
選挙に出るのは今回が初めての、参政党の新人・佐藤美和子氏。
小学校の元教員で、選挙戦では、自身のことを普通の国民、普通のおばちゃんだと繰り返してきました。
日常生活で耳にした声や、自ら感じたことを織り交ぜながら、目指す政策を訴えます。
佐藤美和子 候補
「賃金が安いとか、非正規雇用とか、昔はそんなのございませんでした。みんなちゃんとね、半年働けばボーナスが出て、そして、それで大きいものを買う。楽しみにしてました」
「若者にしてみれば結婚自体が高級品になっていて、なかなか結婚できなかったりとか、子ども欲しくても、ちょっと生活が苦しいなということでもうけられなかったり。どんどん少子化になっていくわけですけれども、そういうものを即効性のある止め方するとしたら、参政党はやっぱりね、減税、減税、減税しかないと思います」
今週月曜。
秋田市中心部で行う演説を前に、マイクのテストを行っていた佐藤氏は、ふと、胸の内を明かしました。
佐藤美和子 候補
「今たくさんの方々見えてるので、とても緊張しております。しかも、高所恐怖症なんで、はい。緊張2つですね。フフッ。揺れるんです結構。それがちょっと怖いかなっていう感じですね!」
これまでの活動の中で、高いところに立って演説を行う機会はほとんどなかった佐藤氏。
この日は、多くの有権者が集まる中、知名度が高まりつつある、党の代表を迎えての演説です。
全国すべての選挙区に候補者を擁立している参政党。
各地で応援演説を行う神谷代表が、秋田で初めてマイクを握りました。
参政党 神谷宗幣 代表
「日本は日本人でちゃんと責任持ってやりましょうよ。外国人はお手伝いですよ、助っ人ですよ。お客さんですよ。だから大事にするべきです、お客さんだから。でもお客さんに頼ってね、経営してもらうようなそんな情けないことはない。だから我々は子どもの教育をちゃんとやって、外国人に依存しない、外国資本に依存しない、そういう国づくりをみんなで考えようじゃないすか」
「みんなが集まれば、ね?自民党を脅かすこともできるんですよ我々で!ね?やってるでしょ?新聞見て私もびっくりしてるわけですよ、参政党が自民党を脅かすって言ってるわけで。ホンマか!?と思うけど。でも支持率見たらそうですよね、たしかに」
佐藤氏は、支持を広げているとされる、党の勢いを追い風にして、教育制度のあり方の見直しなど、自身の訴えを、さらに浸透させていきたい考えです。
記者
「高いところ大丈夫でしたか?」
佐藤美和子 候補
「ちょっと怖かったです、ハハハハハ!揺れるんですよ。神谷さんこうすると、ブルブル…ハッ!?って」
「本当に遠くから手振ってくださったり、頑張ってねって言ってくださったりとか。反応がすごくあって、やっぱり求められてるんだなって感じはしております」
選挙戦後半も県内全域を回り、支持拡大を図ります。
自民 元 中泉松司 候補
「どうかどうか押し上げてください。ありがとうございます!1979年秋田市の農家に生まれました中泉松司です」
議席の奪還を目指す自民党公認の元参議院議員、中泉松司氏。
この日は、「日本のモデル農村を作る」という国策によって誕生した大潟村で支持を訴えました。
中泉松司 候補
「今までコメは安すぎた。今、異常に高すぎる。そこの間を取っていくためには、都会に暮らす消費者の皆さんの思いだけではなくて、この秋田のように、消費者ももちろんいるけれども、身近なところに必ず生産者がいる、そういった皆さんの思いを背負った議論をしていかなければいけません。その道筋をつけられるのは、今回の参議院選挙、私しかいないです。私にしかできないと思います」
中泉氏の遊説隊には、自民党秋田県連青年局の議員のほか、無所属の佐藤光子県議も加わっています。
隊長を務めるのは、佐々木雄太県議です。
3年前の参院選、今年4月の知事選に次いで、3回目の遊説隊長です。
佐々木雄太 県議
「遊説隊長に課せられている大きなミッションは2つあって、1つは遊説日程をしっかり安全に導くことと、間違いなく候補者を勝利に導くこと」
若者からお年寄りまで多くの人がスマートフォンを持ち歩く現代。
陣営では、動画での情報発信を重点戦略に位置づけています。
『真夏並みの17日間』という、過酷で長い選挙戦。
中泉氏の一番のスタミナ源は『あきたこまち』です。
記者
「(普段)コメ食べます?」
中泉松司 候補
「めちゃめちゃ食べますよ。やっぱりコメ食べないと元気出ないですね。やっぱり(スタミナが)持ちます、コメ食うと」
選挙戦2日目。
応援に駆け付けたのは、小泉進次郎農林水産大臣です。
自らを『コメ担当大臣』と名乗り、矢継ぎ早に政策を打ち出してきた小泉大臣。
中泉氏とは、互いが20代の頃からの盟友です。
小泉 農水相
「小泉さんの言っていることは分からなくもないところもあるけれど、農家としたらふざけるな、胸ぐらつかみたいくらいの思いだと、そういうことを言われました」
「農業を立て直して日本を立て直して自民党も立て直して、みなさんとともに、中泉松司、小泉進次郎、一緒になって働くチャンスを与えてください」
コメの価格を下げようとやっきになっている小泉大臣への警戒心を露わにしたJA秋田中央会の小松忠彦会長もマイクを握りました。
JA秋田中央会 小松忠彦 会長
「我々の思いを届けることができます」
「必ず勝つんだという思いを一つにして、みんなで中泉松司候補を国政へ届けようではありませんか」
コメ作りの現場の声を国政に届けられるのは自分以外にいない。
中泉氏も声を強めます。
中泉松司 候補
「追いかける立場としては、1分1秒でも欲しいなと、少しでも時間が欲しいと思っているので、あっという間に一日が終わります」
「驚くほどに、農政に関して、コメに関して、頼んだぞと言われるので、私、これ想像してたよりも本当に多くいただくので、やっぱりそこに対して応えられるのは私しかいないなという、そういう思いが強くなっています」
無 現 寺田静 候補
寺田静 候補
「先祖代々の農地を守りたいけれども、(収支が)とんとんならまだしも、赤字では続けられないんだと、子どもにはとてもでないけど、継がせられない、こうしたお声をたくさん賜ってまいりました」
無所属の現職・寺田静氏は、今の農政について「生産者の声に鈍感で、対策を怠ってきたことは明らかだ」と第一声で強調し、選挙戦をスタートしました。
選挙戦2日目。
寺田氏が訪れたのは,
コメどころのひとつ、仙北市です。
農政の在り方をめぐり、今一度、現場の声に耳を傾けたい。
小泉農林水産大臣が秋田入りしたこの日、農家と直接意見を交わしました。
寺田静 候補
「あれだけ赤字だ赤字だって農家の皆さんが言ってた時には何も、有効なことをしてくれなかったのに、価格が上がったからといってじゃあその時だけなんかやるのかっていうのは本当あんまりじゃないかと私も思ってて」
「1年前の価格が適正な価格だったんですかっていうところがきちんと問われなければいけないと思ってます」
農家
「コメ多い多いって言って減反減反って言って、5年計画ね、減反させてでしょ、で、今コメつくれ?できるわけねぇね。草ボーボーにした農地」
農家
「(農地を)全て集約して大きく法人にしなさいとかそれはそれでいいんだけども、小さい農家もつぶしてほしくないんだ」
営農の継続を支えるためにも「大胆な交付金制度が必要だ」という考えも示している寺田氏。
「生活が苦しいという方は6割に達しています」
消費税の減税が必要です。
生活必需品にかかる消費税の減税といった物価高騰対策も訴えながら、県内各地をくまなく巡っています。
立憲、共産、社民の県組織から支援を受けていますが、政党色は極力抑えています。
いわゆる“中央”からの応援演説も予定にはなく、無党派層への浸透を地道に図ります。
参議院議員を志す大きなきっかけとなったのが、地上配備型のミサイル迎撃システム、イージス・アショアの秋田市新屋地区での配備計画です。
6年前の選挙戦では、計画の反対を訴えて初当選を果たした寺田氏。
その翌年、計画の断念が発表されました。
寺田静 候補
「秋田の子どもたちにイージスアショアのある未来を残したくない、そのような思いで選挙に臨むことを決心しました」
「地域の声を聞かない、そして生活の実態を見ない、そのような政治はもう終わりにしたい。このような思いで、これからも6年間、懸命に頑張っていきたいと思っています」
横手市出身の寺田氏、秋田県選挙区で唯一の女性国会議員であることも強調しながら、女性票の掘り起こしも狙います。
寺田静 候補
「物価高、もちろんですけれども、介護や育児、といったものも当事者として、こうしたところの制度の運用の改善につなげて、皆さんの生活が少しでも楽になるように、一生懸命訴えていきたいと思っています」
現職としての知名度も生かしながら「放っておけば弱い立場に追い込まれてしまう人」に寄り添う政治姿勢をアピールし、支持の拡大を目指します。
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参院選の投票は、20日・日曜日で、前日まで期日前投票ができます。
各候補の政策や考えをよく確かめたうえで、大切な一票を投じてほしいと思います。
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