コメ不足や価格高騰を受け県が追加の補正予算案を内示 県産米の加工業者や酒造会社への緊急支援費用を盛り込む 秋田県
コメの不足や価格高騰が続く中、県は県産米を原材料とした加工品の製造業者や酒造会社への緊急支援費用を盛り込んだ追加の補正予算案を県議会に内示しました。
コメを巡っては流通体制や生産現場での課題についての議論も活発化しています。
主食用米の価格高騰が続く中、酒米と加工用米の確保も難しくなっていて、県内の酒蔵でつくる組合はこれまでに県に支援を求めていました。
鈴木知事
「物価高騰対策として早急に取り組む必要がある事業について計上しております。」
県が県議会に内示した一般会計の総額で、約6億9,000万円の追加の補正予算案のうち、6割近くにあたる4億円ほどがコメの価格高騰に対する緊急支援費用です。
このうち酒造会社には昨年度の県産原料米の仕入れにかかった経費の半額を助成します。
コメを原材料とした商品の加工製造業者などには、付加価値を高めるための設備導入にかかる費用の一部を補助します。
鈴木知事
「ずっとその秋田で長いこと酒を作っていた蔵の皆さん、これは文化的な価値があるだろうと。そこまで大規模化・効率化をして生産性を上げていってというばかりではない業界であるという判断をさせていただきました」
コメを巡っては価格高騰の要因の一つに流通体制が挙げられていて、国会でも論戦が行われています。
国民・村岡敏英衆議院議員
「これからどのような(流通)改革をしていこうという方針なのか」
小泉農水相
「コメの流通というのは極めて複雑怪奇だと。そしてブラックボックスがあると。こういう指摘が多々寄せられています」
「コメの流通というのはどういう状況なのかを可視化をさせたい」
政府は5日、コメの価格高騰の原因を検証する初めての関係閣僚会議を開き流通の課題についても特定する方針です。
生産現場の課題もあります。
県議会の農林水産委員会では『農作物の生産を地域全体で分担することで個人の負担を減らす集落営農』の再編に取り組む事業について意見が交わされました。
自民党 川口一議員
「集落営農やっている方々も、高齢化でだいぶきつくなっている営農の部分があると思うんです」
県農林政策課 大友秀樹課長
「現状の担い手の実態を洗い出ししながら、さらにはその地域で経営が存続できるようなスタイルを生み出していこうと」
県は、集落営農組織の合併による経営基盤の安定化や後継者の確保などを後押しし、営農規模の維持・拡大に向けた取り組みを加速させたい考えです。