【特集】中学2年の相撲少年・佐々木陽希さんが東日本選抜大会に出場 個人戦で東日本の頂点へ

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秋田 2025.06.05 17:57

ABS news every.で、その活躍と成長を追いかけている、相撲の佐々木陽希さん中学2年生が、先月、東日本の選抜大会に出場しました。

陽希さんが挑んだのは、個人戦。

団体戦の出場は叶わず、他の中学校のチームをちょっぴりうらやましそうに見つめていました。

■「団体戦に出たい」角界注目の逸材 佐々木陽希さんの夢

先月、秋田市の県立武道館で行われた、東日本選抜中学校相撲大会。

記者
「久しぶりの大会」
羽城中 2年 佐々木陽希さん
「中学生は冬とか(大会が)ないので」

羽城中学校の2年生、佐々木陽希さんは、小学6年生の時、全国大会で優勝。

角界も注目する、逸材です。

「陽希先輩!」
陽希さん
「真面目そう…」

今、気になる後輩がいます。

陽希さん
「絶対点数高い…高そうな人のメガネ」

畑山蒼佑さん。

一学年下の、全県チャンピオンです。

この春、秋田西中学校に進学。

相撲仲間に恵まれました。

3人で団体戦に出場します。

対して、羽城中学校は、陽希さんひとりだけ。

1年前、大きな夢を持って入学式に臨んだ陽希さん。

陽希さん
「部活作りたい。相撲部」
羽城中 安藤由香 教諭
「相撲部作りたい。やる気ある」
陽希さん
「やる気あります。チラシというか」
安藤 教諭
「作ってきたの?求むって。へーなるほど」
陽希さん
「自分も団体出たいし、相撲部作りたいなって」

学校に相撲部は無く、今は隣町の道場で稽古に励んでいます。

メンバーは、3人。

でも、この春、また1人、この土俵を巣立っていきました。

2歳年上の、伊藤和琴さん。

秋田県の軽量級代表として、全国を舞台に活躍。

陽希さんとは、幼稚園の時からともに稽古を続けてきました。

井川相撲スポーツ少年団 伊藤功コーチ
「和琴さんが最後の練習です。相撲部がある学校に進学します。今まで先輩として一生懸命や ってもらいましたけど、いなくなるのは寂しいですけど、和琴さんもこれから頑張ると」

伊藤和琴さん
「2人とも今まで一緒に練習してきてくれてありがとう。女子相撲部で練習を頑張って、全国大会で優勝を目指して頑張っていきたいと思っています。ハル(陽希)の練習にはあまりならなかったかなと思うけど、ハルもこれからも頑張ってくだ さい。今までありがとうございました」
陽希さん
「ありがとうございました」

■3人で臨む団体戦 秋田西の挑戦

子どもの数が減り、メンバー不足になるのはどこも同じ。

それでも。

「いやいやいや。全員で集まらないとダメでしょ」

競技にかける青春の姿は、今も昔も変わりません。

「俺言うから…優勝するぞって言うから…」
「頑張るぞ?」
「じゃあ…ダサい?勝つ?」

秋田西、初めての円陣です。

「勝ちにいくぞって言うから、オーって言って」

「勝ちにいくぞ!」
「オー」
「オー」
「オー」
「やっぱダメ」
「なんで」

団体戦は、それぞれ3つのチームと対戦し、決勝トーナメントの出場枠を争います。

しかし、これは、東日本選抜大会。

そんなに甘くはありません。

2チームに敗れた秋田西。

この試合も先鋒戦をとられ、後がありません。

中堅・畑山さんの相手は、福島の3年生です。

粘りの相撲で大金星。

先輩に、後を託します。

寄り切って、大将戦でも勝利。

秋田西、このメンバーでの初勝利です。

「3人でミーティングしてれ」
「はい」

「ちょっと(腰)上げすぎだと思う」
「イメトレイメトレ」
「で、この状態でバッといく」

上位進出は果たせませんでしたが、勝利の味は格別だったようです。

秋田西中 2年 堀井悠真 主将
「まだ細いなと感じた。もうちょっと筋肉をつけていきたいな、そう思いました」

■個人戦に挑む陽希さん ライバルとの勝負の結果は?

続く、個人戦、いよいよ陽希さんの出番です。

小学4年生の時に出場した全国大会で準優勝。

以来、学年別では、日本トップクラスの成績を収めてきました。

そんな陽希さんにとって、全国大会に一度も行けなかった昨年度は、悔しさが募るものでした。

各県から強豪と関係者が集まるこの大会は、自分の現在地を知る、いわば試金石。

成長した姿を見せつけます。

次の相手は、合川の3年生で、エースの成田虎六久さん。

去年の全県総体では、陽希さんが勝利。

しかし、秋の新人戦では、成田さんが勝利しています。

およそ30秒の力勝負。

「痛くしたの?」
「右の方痛いっす」

足を痛めながらも、決勝までたどり着きました。

引き落としで、陽希さんが勝利。

2年生で、東日本の頂点に立ちました。

陽希さん
「マジでうれしい。西中…よく部活作れたな、最高」

ちょっとだけ、本音ものぞかせた陽希さん。

様々な経験を積みながら、自分だけの相撲道を突き進みます。

佐々木陽希さん
「県外に行った先輩がいるんですけど、その先輩に『秋田で頑張って、全中も都道府県大会も頑張って行けよ』って言われたので、全国大会に行っても、相手が年上でも、負けない相撲をとります」