少雨続けば8月中旬に玉川ダムの貯水率0%に…? 雄物川水系の渇水対策の臨時会議 警戒レベル一段階引き上げ 秋田

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秋田 2025.07.31 18:11

県内は気温が高く雨の降らない日が続いていて、ダムの貯水率や河川の水位が平年を下回り、渇水への懸念が高まっています。

31日は雄物川水系の渇水対策を話し合う臨時の会議が開かれ、警戒レベルが一段階引き上げられました。

国や県、それに流域の市町村の関係者などが出席し、臨時で開かれた雄物川水系渇水情報連絡会。

国土交通省湯沢河川国道事務所 田中甫幸 所長
「上流の雄物川の流域でも引き続き、大変厳しい状況が続いているところでございます。ポンプによる取水であったりとか断水を行っている箇所等もあるということを伺い、承知しており、渇水の影響がやはり出てきているというのを確認しているところでございます」

会議では雄物川の主要な9つの水位観測所のうち、8つの地点で渇水の目安となる水位を下回っていて、過去5年で最も低い傾向にあることが報告されました。

さらに…。

髙橋勤記者
「雄物川にも水を供給している仙北市の玉川ダムです。貯水率は半分の50%を切っています」

水不足の中、いま雄物川の流れを支えているのが東北最大総貯水量2億5,400万立方メートルの玉川ダムです。

しかし玉川ダムの貯水率は7月中旬から低下が続いていて、31日午前9時の時点で、半分を切った48.6パーセントまで低下しました。

このまま雨の少ない状況が続けば来月中旬にも貯水率が0パーセントになるという試算が示されさています。

玉川ダムと田沢湖の水は「玉川水系の水」として、出穂期を迎えているイネなど雄物川流域の農業用水としての利用はもちろん、下流にある秋田市の浄水場の水源となっています。

水位の低下は秋田市民の生活にも直結する恐れがあります。

来月以降の農業用水や水道水を確保するため、31日から玉川ダムの放流量が減らされることになりました。

その不足する分は田沢湖の水で補う計画です。

田沢湖も水位が低下していて、すでに利用可能な範囲を超えているものの、さらに水位で1.5メートル分緊急放流します。

国土交通省湯沢河川国道事務所 田中甫幸 事務所長
「使える水というのは雨が降らない限りは増えてきませんので、早め早めに次のフェーズに移るってことも想定しながら、皆で対応していく必要があるかというふうに思ってございます」

こうした状況を受け31日の会議では、渇水対策のレベルが注意から警戒へ一段階引き上げられました。

このまま雨が少ない状態が続けば、深刻な水不足に陥る懸念があるとして、国土交通省などは、節水を呼びかけていくことにしています。