参院選秋田県選挙区は無所属の現職・寺田静氏が2度目の当選果たす 次点の中泉松司氏には5万票近くの差…6年前の倍以上

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秋田 2025.07.21 18:18

20日投票が行われた参議院選挙で、無所属の現職 寺田静氏が2度目の当選を果たしました。

次点の中泉松司氏には6年前の選挙の倍以上、5万票近くの差をつけての再選です。

◇寺田静氏

寺田氏は50歳。

約22万票を獲得し、次点の中泉氏に5万票近くの差をつけました。

寺田静氏
「全県を17日間改めて回る中で、やはり介護のこと、また子育てまわりのこと。さまざまな皆さんから生活が苦しいというお声、農家の皆さんの静かな怒り。さまざまな思いを受け取ってきました。こうした思いを受け止めて私自身も、もう一度一生懸命この6年、しっかりと取り組みたいと思っています。胸がいっぱいで今はこれしか。言葉が出てきません。本当にありがとうございました」

昨夜は小学6年生の長男からも祝福を受け、当選の喜びを噛みしめました。

選挙戦で寺田氏は立憲民主党・共産党・社民党の県組織から後押しを受けながら政党色は前面に出さず、介護や育児の支援制度の充実、消費税率の引き下げなどを訴えてきました。

野党統一候補として初当選した6年前に続き2回目の当選です。

◇中泉松司氏

一方、中泉氏の事務所では集まった自民党の国会議員や県議会議員などが寺田氏の「当選確実」と自民党大敗を伝えるテレビ画面を静かに見つめていました。

柴田アナ
「いま中泉さんが事務所に姿を現しました。自民党に厳しい逆風が吹く中17日間の選挙戦を支えてくれた支援者にこれからメッセージを伝えます・・・」

中泉松司氏
「今回の選挙がこの6年間、必死にあがいてきた中で、自分にとっては最後のチャンスだという覚悟で、頑張ってきました。そういうことを考えたときに、本当に皆さんの期待に応えられなかったことに改めて、ただただ自分の力不足、無力さを感じる次第です。」

自らコメ作りを行う農家としての目線を前面に訴えてきた中泉氏。

JA秋田中央会の小松忠彦会長は生産者の間で高まった政権与党への不信感を払しょくするメッセージが聞こえてこなかったと話します。

JA秋田中央会 小松忠彦会長
「自民党に対する逆風というか反対票はあったのではないかと思います。特に小泉さんの安く販売とかそういった形の生産者を守るというメッセージは聞こえてこなったので。そこ一言あるだけでだいぶ違ったのではないかなと思います」
「自民党がやってくれるねという(現場の)安心感、コメが今年はすごく多く作られているので暴落が心配される中で大丈夫だよ、というメッセージをしてくれればだいぶ票が動いたと思います」

中泉氏は「イージス・アショアが争点となった6年前の選挙に比べると有権者は話を聞いてくれた」と振り返りつつも、自民党への逆風については次のように語りました。

中泉松司氏
「さまざまな情勢調査や報道ぶりや、そういうのを聞くにつけ、ああ日々自民党に対して厳しさっていうのは増してるんだなと。だから、秋田県でも、それも全国と同じように増しているんだな、ということを感じながら戦っていた感じですかね」

◇佐藤美和子氏

今回の選挙で、大幅に議席を増やした参政党。

17日間の選挙戦のうち、多くの日程に同行した愛犬や支持者とともに開票結果を見守った佐藤美和子氏は、初めての選挙で6万票あまりを獲得しました。

政治経験もない中で臨んだ選挙戦には神谷代表が応援に入り、党の勢いを追い風にしたい考えでしたが、他の候補との知名度や組織力の差を埋めることはできませんでした。

佐藤美和子氏
「あの…知名度すごい低いところから来たので、いきなり当選はやっぱり難しいだろうなと思っていましたので。なんでしょうね、そんなに落胆もしてないというか。ここからがスタートという感じですね、やっぱり。秋田としましては。いくらでも比例代表の方に貢献できたかなと」

党としては大幅に議席を増やしたものの県内では支持が広がらなかった要因について、県内組織のトップは次のように分析しました。

参政党秋田県支部連合会 加賀谷まり会長
「秋田に地方議員がいないというところで、地方議員がいるといないとでは県連の中の盛り上がりというか、活動として目に見えてくるものがないので」「今後は県連の中でなるべくたくさんの候補者を出して議員さんを誕生させるという部分で注力したいなと思ってます」

佐藤氏は今後、自身がその役割を担う可能性に含みをもたせました。

記者
「自分がやりたいことをできる場はどこの場かなと考えますか」
佐藤美和子氏
「うーーーーーん。国政はもう…歳が歳なので、ハヒヒヒヒ!そこはないかなと。地方だったら市議会とかは…ある、かも、しれ、ない…どうでしょうね」
記者
「(2年後の)秋田市議会とか」
佐藤美和子氏
「どうですか県連会長?」

参政党県連は、9月に行われる大仙市の議会議員選挙で党公認の候補者を擁立する予定で、県内での党勢拡大を目指します。

なお今回の参院選の投票率は過去最低だった前回3年前を3ポイント余り上回って58.57%でした。